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2010年9月22日 (水)

「オーバコが原のノホホン人たち」第十一回

「なにいってるの!死ぬわけないでしょ。」
「むりにはげまさなくてもいいよ。どうせこの草が枯れれば、ぼくは・・・。」
 泣きそうになるロロに、トトがあわてていいました。
「ロロ、ボール投げに行こうぜ。」
「この頭じゃ、皆に笑われるよ。それに、ボールが草に当たったら・・・。」
「茎がおれて、枯れるかもしれないな。ボール投げはよそう。でも、少しは日に当たらないと・・・。笑うやつは、笑わせておけばいいよ。」
「ロロの事笑ったら、わたしがぶってやるんだ!」
 キーテがいうと、ムカ・シノ・ウタも、
「ぶってやる!」と、いっしょにいいました。
 ロロは「皆がそんなにいうのなら」と、やっと外に出る気になりました。
 
     ★
 
 皆がおもてに出ると、キーテのおとうさんのイーコエがやってきました。手に花たばを持っています。イーコエが、ロロを見つけていち早くさけびました。
「ロロ、もう・・・いいのですか?」
「もう」のあとでとぎれたわけは、イーコエがロロの頭の上のニガニガ草を見て、はっとしたのです。ロロは、小さな声で「うん」といったきりでした。
 キーテは、おとうさんにかけよって、なにかいいました。その時です。イーコエが手に持った花たばから、チョウが一ぴき飛び立って、ロロの頭の上までやって来ると、ニガニガ草の花で遊び始めました。
「よせ! やめろ! やめろったら!」
 ロロは、こわーい顔をして、逃げまわりました。自分のおかしなかっこうを誰にも笑われたくないと思っているように。笑うどころか、皆はロロの悲しみがわかったので、目をふせて立っていました。
 チョウがいってしまうと、イーコエが頭をぺこぺこさせていいました。
「ごめんなさい、ロロ。あなたにあげようと思って、花たばを持ってきたのに。」
「いいんだ。」
 ロロは、悲しみをふりきろうとするように、近くに立っていた、ごみになったせんぷう機によじ登りました。それは、雨や風にさらされてすっかりさびついて、ざらざらしていたので、わりあい楽に登れました。
「よーし、ぼくもせんぷう機山に挑戦だ!」
 トトも、ロロのあとから、登って行きました。せんぷう機の長くのびた首を登るのは、さすがに大変でした。が、ロロは、夢中でさけびました。
「どうしても、征服してやる!」
 そびえるせんぷう機のはねをめざして登っていくと、ロロとトトの姿は、まるでテントウ虫のようでした。ロロの頭の上のニガニガ草の花は、少し赤っぽくなって、こまかくゆれていました。
 山の上に登りついたロロは、そこにこしかけて、夕空をながめました。まもなくトトも登って来て、ロロと並んでこしかけました。
 下から、キーテの声がとどきました。
「そこから見ると、空はきれい?」
「ああ、きれいだよ。」
と、トトが答えました。
 ほんとうにきれいでした。雲が夕日の光に赤あかとそまって、鳥達はねぐらへ急いでいました。
 ロロは、じっと鳥達を見送っていました。そのうちに、頭の上のニガニガ草の花の一つが真っ黒になって落ちました。落ちていく花をじっと見ていました。目になみだが光っていました。
 トトは、ニガニガ草が枯れる前に、ロロは悲しくて死んでしまうと思いました。
「なんとかしなければ・・・。」
 トトはあせりました。
 せんぷう機山からおりると、ロロは、皆に向かって、変にやさしくいいました。
「じゃーね。」
 ロロは、背中でも泣きながら、
「ひとりにしておいて。」
と、家に入りました。
 トトは、閉じたドアに向かっていいました。
「ロロ、力を落としては、だめだよ!」
 けれども、もう何をいっても、答えはありませんでした。

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コメント

皆さま

「オーバコが原のノホホン人たち」第十一回を公開しました。

キーテとトトの必死の励ましも実ることなく、ますます落ち込んでゆくロロ。本当にこのまま死んでしまうのでしょうか。

次週、第十二回でこの物語は完結です。最後に一体どんなドラマが待っているのか。ぜひご期待下さい! 最終回は9/29(水)公開です。皆さまお楽しみに!

投稿: 復刊ドットコム熊野 | 2010年9月22日 (水) 10時39分

わ~(´;ω;`)
ロロが心配です。
しかし、ひとりになりたい気持ちも
わかります…
ロロがどうなるのか、予想がつきません…

投稿: ノーザンカーサン | 2010年9月22日 (水) 14時09分

わ~(´;ω;`)
ロロが心配です。
しかし、ひとりになりたい気持ちも
わかります…
ロロがどうなるのか、予想がつきません…

投稿: ノーザンカーサン | 2010年9月22日 (水) 14時09分

次回が気になります。。

どうか頭に咲いた花が無事にとれますように。crying

投稿: シルル | 2010年9月25日 (土) 01時21分

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