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2011年9月28日 (水)

「バイキンです よろしく」第九回

《おはなし》
バイキンがタバコをくわえると……
――といってもひょっとこの口につきさしただけだが――
ミリはマッチで火をつけてやった。
ひょっとこの、クルリとしためだまがいった。
「わたしがかんがえていたように、やっぱり、おまえはよい子だね。
そう、子どもは子どもらしく、おとなのいうことをきかなくてはいかん。」
へやはけむりでモウモウになった。
ミリはかんがえこんだ。
どうやってバイキンを殺そうか。

「バイキンを殺すには」という本をよんでみた。
それによると――
バイキンは日光に弱い
と、書いてあった。
ミリは、まずこのやりかたで殺そうと思った。
家のまえに、日なたぼっこようのいすをおいた。
それから、バイキンにいった。
「バイキンさん。へやの中でタバコばかりすっていると、病気になるよ。
バイキンさんようのいいいすを外に出したから、日なたぼっこしたほうがいいな。」
バイキンはくわえタバコでいった。
「え? バイキンが病気になるって?
そんなーいくらなんでも……ばかばかしい!」
「うそじゃないよ。
バイキンを殺す新しいバイキンが月ではっけんされたんだってさ。しんぶんでよんだよ。それに……
バイキンさん、いくつ?
「うまれてからまだ、一日もたっていないんだ。」
「じゃ0歳だね。それならいちばん病気にかかりやすい年なんだよ!」
「ほんとうか。こうしてはおれん。よし、それじゃ、さっそく……。」
バイキンは外に出た。

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2011年9月21日 (水)

「バイキンです よろしく」第八回

《おはなし》
ミリはどうすることもできなかった。
――こうして、モニカは、ほね一本のこさずに、バイキンの朝のしょくじにされたんだ。
バイキンはいった。
「このネコはあんまりおいしくなかったな。
やっぱりカツドンのほうがいい。
早くもってこい!」
バイキンはどんなことがあっても、ミリにカツドンをもってこさせたいんだ。
ミリはてっぽうでバイキンをなぐろうと思った。
けれども、歯をくいしばって、がまんした。
今、そんなことをしたら、殺されちゃう。
おちつくんだ!
そのうち、きっと、モニカのかたきはうってやるぞ!
ミリはかたくけっしんした。

バイキンとのたたかいがはじまった。
ミリはバイキンをゆだんさせるために、なんでもおとなしくきいてやった。
バイキンはカツドンを食べおわると、
「タバコを買ってこい!」
と、いった。
タバコやはミリがバイキンとつきあっているのを、もうしっていた。それで、こわがってタバコを売ろうとしなかった。
だから、ミリはどうしてもタバコを買おうとして、むりに七十二ダースものタバコを売りつけられた。

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2011年9月14日 (水)

「バイキンです よろしく」第七回

《おはなし》
……ところが、たまはバイキンのからだの中を、ツイッ、ツイッと通りぬけるばかりなんだ。
バイキンは歌いつづけた。

世界中を歩いたこのぼくだって、
そんなばかな話きいたことない。

ミリはてっぽうをすてて、そばにあったナイフをバイキンになげつけた。
ところが、ナイフはバイキンのからだをぬけて、むこうのかべにつきささった。
「どうだい、チビくん、すこしはりこうになったかい。」
と、バイキンはまた本をひらいて、いった。
「そういうのを、『ほねおりぞんの、くだびれもうけ』っていうんだね。ともかく、めしだ!」

ミリは、きっぱり、ことわった。
「いやだ。おまえのために、しょくじのよういなんか、するもんか!」
バイキンはミリにこたえず、ベッドをおりると、へやのすみでふるえていたネコのモニカをつかみあげて、いった。
「まったく、ものわかりのわるいがきだ。
おい、ちょっと見てろ!」
あっ、モニカがあぶない!
「こいつ、モニカをはなせ!」
バイキンが、モニカをだきしめた。
――おそろしいことがおこった。
モニカが、とけはじめたんだ!
モニカはいかにもくるしそうにうめいた。
が、すぐにグッタリした。
それからモニカは、どんどん小さくなり、バイキンのからだの中にすいこまれていった。

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2011年9月 7日 (水)

「バイキンです よろしく」第六回

《おはなし》
「まって!」
つかまえるひまもない。
そればかりか、のはらにのこっていたなかまのけい官たちも、「バイキン」という声をきくと、さっさとかえりはじめた。
「なんだ、よわいけい官!
いつも、いばっているくせに!」
ミリは、かけだしていって、けい官のひとりをやっとつかまえた。
「つかまえてくれないのか。」
「うん……。こわいんだ。」
「このよわ虫!
じゃ、そのてっぽうかせ!」
「これ? これはだめだ。」
と、いうのを、ミリはむりやりてっぽうをうばいとって、家へ走った。

「カツドンは?」
と、バイキンがいった。
「うるさい! おまえのいのちはぼくがもらった。」
と、ミリはてっぽうをかまえた。
しかし、バイキンはおどろくどころか、白いひふにしわをよせて、しきりにわらって、歌った。

バイキンをてっぽうでうつなんて、
そんなばかな話きいたことない。

ミリは、カッとなって、ひきがねをひいた。
パパン!

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