「バイキンです よろしく」第十一回
《おはなし》
ミリは思わずさけんだ。
「やったぜ、ベイビー!」
――ところが、バイキンはヒューッと長いためいきをついていったんだ。
「日なたぼっこなんて、なれないことをするもんじゃない! おお、しみる! こんなぬるま湯なのに!」
バイキンは「こんなぬるま湯」といったんだ。
そう、水は百どよりあつくはならない。
……とすると、このバイキンはいつも、ドロドロにとけた鉄のふろにでもはいっているのかな。
ミリはがっかりした。
本のおわりにはこう、書いてあった。
「しかし、
バイキンを殺すには
なんといっても、
どくやくにかぎる!」
ミリはさっそく、クスリやへとんでいった。
けれども、クスリやのロクロは、どうしてもミリにどくやくを売ってくれなかった。
どうしてかというと……
ロクロはいうんだ。
「ぼく、こわいんだよ。バイキンが。
もし、ぼくがきみにどくやくを売ったことがバイキンにわかったら、どうなる?
バイキンはきっと、ぼくを殺しにくるよ!」
「だからそのまえに、ぼくがバイキンを殺してしまうんだよ!」
「きみ、バイキンはこの町だけで、ひとばんに、千びきもわいたんだ。そいつらは、みんなひみつでんわや、ひみつむせんでれんらくしているんだよ。今、ぼくがきみとこんな話をしているんだって、きかれているんだよ、きっと。」
「でも、ゆうきをださないと、いつかは、ぼくら、ぜんぶ、バイキンにやられてしまうよ。」
すると、ロクロは、まっ青になって、地面にすわりこんだ。
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