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2011年11月30日 (水)

大海赫之介 ブログお仕舞いの口上

さあさ、お立会い、2010年の3月3日に目出度く幕開け致しましたブログ「週刊大海赫童話」、『うその町』から『バイキンです よろしく』まで(全12編)、ながながとご愛読いただきまして、有難うございまする。皆様からの温かいコメントにはげまされ、ここまでなんとかやってまいりましたが、これをもってひとまず、お仕舞いとさせてくだされい。

と申します訳は、二三日前「天国」とか申すところより、やつがれの元に、ふたりの使者が舞い降りまして、こんな達し書きを差し出したではございませんか。
「地上での仕事はもういいから、さっさとこっちへ昇ってこ。」
「やつがれのような罪深い者が、天国などと… もったいない、第一この地に大勢の愛する方々を残して、どうして天国になど行かれましょう。どうぞ御勘弁くだされ。」
と、なんべんも、なんべんも頭を地にこすりつけて、お断り申しましたが、「いいから、いいから。さっさとこっちゃこ。」とたってのご所望。この地には、まだまだやり残したこともあり、後ろ髪を引かれる思いでございますが、ひとまず、このブログをお仕舞いとさせてくだされい。なにかとご不満の向きもございましょうなれど、どうぞ、御許し下されい。

なお、この「週刊大海赫童話」、いましばらくは、削除しないという、「復刊ドットコム」社様からの御達しがございました。まだ、このブログをお読みでない方々には、皆様からよろしくご宣伝賜りたく、御願い申し上げまする。

では、皆様、どうか末長くお幸せにお過ごしください。
天国より、毎日毎晩ひたすら拝んでおりまする。

大道芸人 大海赫之介
2011.11.30


大海赫之介さんはこういっていますが、大海赫先生は、いつか、『ビビを見た!』会でやった『ゴロゴロツィッターゲーム』を
チョコレートなどしゃぶりながら必死に考案中でした。そして、いまは次のいろいろを企画中です。ご安心ください。
「天国」うんぬんは、大海先生独特のブラックユーモアでした。どちら様もご安心ください。
(編集部より)

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「バイキンです よろしく」第十八回(最終回)

《おはなし》
さっきまで、あんなにいばっていたバイキンが、「おねがいします」なんて、いったんだ。
なにをおねがいされるんだ!
じょうだんじゃない!
モニカを殺したくせに!
「いやだ!」

ミリはかんがえていたとおりに、自動車に火をつけた。
どすぐろいけむりがあがった。
見ているまに、車は火につつまれた。
パチンパチンと火花がとんだ。
きっと、バイキンの子がはじけるんだろう。
ミリは、空にあがるけむりを見あげて、
「とうとう、やってやった!」
と、さけんだ。

日がきえた。
自動車はまるやけだ。
一ぴきのバイキンも見えない。
火にすいとられたみたいだ。
――そのとき、グルグルグル……という音がしました。
あの、三きのヘリコプターだ。
ヘリコプターは海岸におりた。
みんなが出てくる。
かけてくる。
ゴロも、ロクロもいる。
「どうしたの?」
と、ゴロがいった。
「バイキンをやき殺してやった。」
と、ミリはぶっきらぼうにこたえた。
「どうしたって?」
「やき殺したんだって。」
「よくやったね。」
「すごいぞ、ミリ。」
と、みんながさわいだ。
ミリはまた、ぶっきらぼうに、いった。
「きみたちもやれよ!
にげるなよ!」
みんなはだまってしまった。

――そのうちに、だれかがいった。
「ぼく、にげるの、やめた!」
「ぼくもやめた!」
「ぼくもやーめた。」
「あたしも!」
「あいつら、やっつけるまでは、にげないぞ。」
みんなはヘリコプターにのりこんだ。
ミリも、ドカンとのった。
ヘリコプターはうなりを高めて、町へひきかえしていった。

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2011年11月23日 (水)

「バイキンです よろしく」第十七回

《おはなし》
ミリは自動車をくるったようにとばした。
ジェット機よりもはやく!
じどうしゃはやぶや林の上を、星みたいにとんだ。
そうして……
海岸にでた。
あたりはいちめんのすなだ。
ここなら、なにをしたって、あんしん!
ミリは自動車のドアをあけた。
うしろのせきで、
「◇≡☆ヰ└♪#%%%」
と、という声がした。
そこを見た。
――子どもが生まれていた!

こゆびくらいのバイキンが、
ウヨヨウヨウウウヨヨヨウヨヨウヨウヨウヨヨウヨウウウウヨヨヨウヨウヨヨウウヨウヨウヨウヨヨウウヨヨヨヨヨヨヨヨウヨヨ……
と、いっぱい!
ミリは目を見はった。
やっぱり、二億か、三億はいるだろう。
それが、死んだどぶねずみにたかるうじむしのむれのように、おやのバイキンの上にのっかっているんだ。
それに……
ミリはおどろきで気をうしないそうだった。
それに、その子どものバイキンは、おやのバイキンのからだを食べているんだ!
おやのバイキンは、子どもを生んだうれしさでわらうどころじゃない。子どもに食べられるいたみで、ころげまわってくるしんでいた。それでも、おやのバイキンはいった。
「ミリくん……この子どもたちを……おねがいします……。」

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2011年11月16日 (水)

「バイキンです よろしく」第十六回

《おはなし》
やがて、自動車はやぶの中の道を通った。
そのとき、頭の上で、
ブルルルルル……
と、いう音がした。
見あげると、大がたのヘリコプターが三き。
みんなが、ヘリコプターにのって、町をにげてゆくんだ。
あの中にはクスリやのロクロもいる。
ぎゅうにゅうやのゴロもいるだろう。
みんなは、ま下をミリとバイキンののった自動車がはしってゆくのを見おろしているだろう。
「あれはなんだね。」
と、バイキンは車のまどからのりだしてきいた。
ミリは、いろいろきかれるのがめんどうくさいので、
「カだよ。」
と、こたえた。
「カ? ふーん。カもこのごろは、うまいものをたべているか、すごく大きいんだね。」

それどころじゃない。
自動車の中は、ポカポカと、はるのようにあたたかいんだ。いつ、バイキンが子どもを生むかわからない。
はやくこのやぶの中を通りぬけて、海岸にでないと、たいへんなことになる。
いっぺんに、二億、三億、のバイキンの子どもが生まれ、自動車をやぶって、夜の中へおどりだすんだ。
そうなったら、ミリひとりの力では、どうすることもできない!

――バイキンが、きゅうに、へんなうなり声をあげはじめた。
「¥¥¥……☆☆***◇※Σ……&&∴>……%%%……***……〒○√▽……。」
あたまのにくをしぼられ、せぼねにくぎをうちこまれるようなかんじがした。
きっとバイキンのことばで、
「いたい! いたい! いたいよう!」
と、うめいているんだ。

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2011年11月 9日 (水)

「バイキンです よろしく」第十五回

《おはなし》
「『バイキンさん』って、わたしのこと?」
「うん。あなたがね。そうりだいじんみたいにえらくなってね。むねにくんしょうをつけてね。世界中のバイキンにそんけいされる話さ。」
「ふーん。おもしろい。で? くんしょうはいくつ?」
「え?」
「くんしょうはいくつだときいてるんだ。」
「そうだね……。十五こぐらい。」
「十五こ? ……やめた。映画なんて、おもしろくない。」
「十五こじゃない。百こだよ。」
と、ミリはあわてていいなおした。
「百こ! おまえって、なんて、けちなんだ!
とにかく、映画はやめた。
おれをばかにしとる!」
これいじょう映画をすすめても、おこられそうなので、ミリは話をかえた。
「じゃ、ダンス、やりにゆかない?」
「だんす! ゆこうゆこう。
おれは、ダンスがもうれつにすきなんだ。」
「ダンス、しってるの?」
「しってるよ、もちろん!
おれ、きのうの夜生まれたときね、とてもうれしくて、さっそく、ダンスやったんだ。」
「よし、きまった! でかけよう。」
――バイキンはミリの自動車を見て、いった。
「これにのってゆくのか。」
「うん。」
「中はあったかいのか。」
「ううん。」
「あったかくないと、いやだな。」
「じゃ、あったかく、してやるよ。」
バイキンはうなずいて、うしろのせきにのった。
自動車は町とはんたいのほうにむかった。

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2011年11月 2日 (水)

「バイキンです よろしく」第十四回

《おはなし》
いくらバイキンがこわいからって……。
一ぴきも殺さないでにげだすなんて。
いやだな。
それにぼくはモニカにやくそくしたはずだぞ。
かたきはとってやるって。
……………………………。
ミリはにげるのをやめた。
しっぱいして、バイキンにとかされたって、かまうものか。
ここでにげたら男じゃない。
ぼくはにげないぞ。
あいつを殺すまで。

バイキンはいびきをかいた。
「ЖЖЖ……ДДД……ΘΘΘ……。」
バイキンのいびきをにんげんのことばになおすことはとてもできない。が、かなり、やかましい。
ミリはストーブの火をけした。
「ちょっとあったまれるば、子どもが生まれる。」と、ロクロがいったからだ。
たしかに、バイキンのはらが、ふくらんできたようだ。
こんなところで生まれたら、たいへんだ!
バイキンが目をさました。
「ストーブの火、けしたね。
すぐつけてくれ。」
ミリはいってみた。
「バイキンさん、映画見にゆかない?」
「エイガ? なんだい? それは?」
「いろいろたのしい話が、空いっぱいのスクリーンにうつるんだよ。おもしろいよ。」
「ふーん。どんな話?」
「『バイキンさんのいっしょう』って、話だよ。」

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