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2008年7月31日 (木)


ノーライフキング、再び

ディレクターの、ともおです。

今週の復刊の中に、いとうせいこうさんの『ノーライフキング』が入っています。1980年代以降、多彩な表現活動をされていた、いとうせいこうさんの「小説」では一番有名な作品かと思います(『ワールズ・エンド・ガーデン』も評価が高かった記憶がありますが)。この本が書かれた80年代後半というと、ファミコンの登場で、家庭用TVゲームが小学生の間でブームになりはじめた頃です。とくに「ドラゴンクエスト」などのRPGが与えた影響は大きかったかと思います。この物語に登場する人気のゲームソフト「ライフキング」には、別ヴァージョン「ノーライフキング」があると噂され、そのソフトは、いったんはじめたら、クリアしなければ呪われるという、まことしやかな「都市伝説」が小学生の間で流布されていました。やがて現実に「ゲームの中のような呪われた事件」が起き、小学生たちを震撼させていきます。さすがに、当時読んだきりで、全部は覚えていないのですが、三島賞の候補になった高い文学性を持ち、また市川準監督によって映画化された作品もクールな仕上がりで、「ノーライフキング」という作品は、当時の風俗を写したものであるという以上に、不思議な作品世界観を持ったイメージが記憶に残っています。その後、よく見かけることとなる、ゲーム的仮想空間とリアルの相克、というテーマの先駆けでしたね。ゲームの中で主人公が死ぬと、「好きだったもの」が、墓標として残される、という場面が印象的です。ゲームが、子どもたちの生活にもっと密着してしまった現代には、より響くところがあるかな。

■ 『いとうせいこう』復刊特集ページ

最近もまた「都市伝説」がブームです。マスコミや大人が面白がる前に、小学生の間で、ひそかにジワジワと蔓延していく感覚にこそ妙があるわけですが、あれはリアルタイム小学生じゃないと味わえない感覚ですね。逆に、会社員だけにささやかれる「伝説」はないものでしょうか(サラリーマンNEOっぽいですが)。そういえば、伊井直行さんに『さして重要じゃない一日』という作品がありました。会社員が、コピー機付近で紛失した書類を追っているうちに、社内に存在する、もうひとつの「社内便」の存在を知ってしまうというお話。大きな会社に勤められている方には、言ってはいけないことになっている伝説の「地下部署」の存在などリアルに感じられるかも知れません(絶版みたいですが、リクエストはなかったです)。

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2008年7月30日 (水)


ジュリー~!

ディレクターの、ともおです。

歌手の沢田研二さんが、今年、六十歳を迎えられました。「還暦ジュリー」などというフレーズも良く見かけるところですが、色々と記念のイベントも開催される模様です。今年のコンサートツアーの最後を飾る11月29日には京セラドーム大阪で、そして、12月3日には東京ドームで「人間60年・ジュリー祭り」という、初のドームコンサートの開催も発表されています。日本人としては最高齢のドームコンサート進出となるそうです。更に復刻音源による『沢田研二 SINGLE COLLECTION BOX Polydor Years 』も8月には発売されます。1971~84年にリリースしたポリドール時代のシングル43枚、AB面合わせて86曲のCD化、そのうち38曲が初CD化となるそうです。最近、このあたりの時代の沢田研二さんの曲を改めて聞きなおしたのですが、凄いドラマチックですね。そして、濃い。70年代のこれぞ歌謡曲、の完成された世界から、80年代のロック路線にいたり、更に吉田健路線で革新性は強くなっていき、その後、どうされたのかなあ。大沢誉志幸や佐野元春、更には新田一郎の曲なども歌われてましたね。自分など、あの一番、ジュリーが輝いていた全盛期をTVで見ていた世代なので、「還暦」という文字は、けっこうショッキングですねー。

さてこのところ、復刊ドットコムでも、沢田研二さん関連のリクエストのPVが上昇中です。それは『水の皮膚』という1980年発行の写真集。ファンの間では有名な写真集であるこの本には、既に450票以上のリクエストが集まり、更に増え続けています。内容情報やリクエストされた皆さんの書き込みコメントによると、もっともジュリーの美しく妖艶な時代の姿が映し出されているもののようです。過去にも復刊ドットコムでは、本書について発行元の出版社様にご連絡したり、状況についてお伺いした経緯もあります。重版や復刊についてはデリケートな問題もあり、なかなか一筋縄ではいかないところではありますが、アニバーサリーの今年、ファンの皆さんの熱い気持ちがさらに集まれば、伝わるところもあるかも知れません。復刊ドットコムとしても、可能なかぎり応援をしていきたいと思っております。

投稿時刻: 午前 09:00
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2008年7月29日 (火)


伯剌西爾(読めますか?)

ディレクターの、ともおです。

みすず書房さんの8月の新刊で『遠きにありてつくるもの 日系ブラジル人の思い・ことば・芸能』という本が刊行されます。まだ中を拝見していないので、詳しいことは書けないのですが、ブラジル移民100周年にあたる今年、「ブラジル移民」研究の集大成として発行される本のようです。ブラジル移民、というものに対して、僕が興味を持っているのは、やはり自分の少年期の精神形成に大いに関わっているアントニオ猪木氏の影響ですね。諸々の猪木自伝で語られるところの、少年時代の移民生活の苦労話は、庶民の昭和史のひとつとして、とても感じいるところが多かったのです。一家をあげて、夢を抱いて渡航したブラジル。農場での奴隷のような重労働や、移民同士の足の引っ張り合いなど、辛酸をなめるものの、過酷な労働の中で、猪木氏が農作業で鍛えた身体を用い、陸上競技で頭角を現し日系ブラジル人社会で有名になっていくプロセスは、なかなか興奮させられるものがあります。昭和のブラジル移民の渡航がはじまったのは60年前の1948年(昭和23年)ですが、それ以前、100年前の1908年(明治41年)からブラジル移民は始まっています。カリフォルニアやハワイなどへの日本人の新規移民が禁止となった国際情勢を受けて、海外移民の行く先は南米へと向かっていきます。その、ほんの40年前までは江戸時代だったのに、日本人は大量海外移民の時代へと突入しているのです。ちょうど100年前、明治時代の日本人は、南米の新天地に一体、どんな風景を見たんでしょうか。

復刊ドットコムを主催する出版社ブッキングが、出版販売をお手伝いさせていただいた『識る力』という本があります。神戸の写真館を受け継ぐ著者が、保存されていた貴重なカラー絵葉書や豊富な画像で、1850年から1955年までの歴史を、残された画像資料で紐解く興味深い本です。幕末の1868年に開港した神戸は、西洋文化の窓口として、その後の日本の変遷を見続けてきました。ブラジル移民の第一号となった船「笠戸丸」も、神戸から出発しています。面白いので時々見ている本ですが、歴史的事実としてある程度は知っていても、文字ではなく、画像から受ける衝撃は生々しいですね。ああ、こんな船で海を渡ったんだ、などと感慨深く思ってしまいますね。夢を抱いて南米に「移民」する、ということも、ちょっと現在では考えられないような感覚があります。逆にこの時代から見た「ニート」とか、「ネットカフェ難民」とか、どんなものだろうねと考えたりもするんですが。そういえば、僕が中学生の時に、若い先生が、渋谷を歩いていたら『ブラジルに移民しませんか』と勧誘されたなんて雑談をしていた記憶があります。今の渋谷じゃ考えられない話ですが、四半世紀前にはまだそんなことがあったのかも知れません。うーん。

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2008年7月28日 (月)


『生誕 100年記念 けとばし山のおてんば画家 大道あや展』

ディレクターの、ともおです。

大道あやさん、という画家・絵本作家をご存知でしょうか。もしご存知なければ、是非、福音館書店さん刊行の『へくそ花も花盛り』という聞き書き自叙伝をご覧になっていただきたいのです。元は1985年に刊行された大型本ですが、2004年に文庫化されています。1909年(明治42年)広島生まれの大道あやさんの少女時代からはじまる、この語りおろしの4分の3あたりまで、画家・絵本作家として個性的な作風で知られる大道あやさんは、まだ絵を描き始めていないのです。彼女が絵を描き始めるのは、60歳を越えてから。美容師として、また夫と一緒に花火工場の仕事をしていた彼女は、明治、大正、昭和を生きた一介の生活人です。しかし、凶刃に倒れた母の死、夫の壮絶な事故死、息子が大事故に遭い重い障害を負ってしまうなど、度重なる家族の不幸の連続を越えていくために、60歳を越えてから絵筆を持たれました。大道さんの作品は、とても個性的で、漲る自然の生命エネルギーに満ち溢れていました。猫、犬、にわとりやあひるなどの動物や、たくさんの植物と一緒に山に暮らす大道あやさんのナチュラルなスピリットは、その絵からドキドキするほど伝わってきます。『へくそ花も花盛り』にも多少、図版が収録されていて、大道あやさんの作品の片鱗を知ることはできるのですが、残念ながら、絵本の代表作である『ねこのごんごん』『けとばしやまのいばりんぼ』は品切れのまま入手できない状態で、こんごん他の作品には復刊ドットコムにも多くのリクエストが寄せられています。これは、本当に惜しいことです。復刊ドットコムスタッフの中にも、僕も含めファンは多く、なんとか復刊を実現させたいという悲願を持っていました(今もいますので、更にリクエストをお待ちしております)。

■ 『大道あや』特集ページ

そんな大道あやさんの生誕100年を記念して、東京、愛知、福岡で、初の本格的回顧展が開催されることになりました。日本画、絵本原画、素描、陶製人形など140点もの資料の展示が行われます。以下に詳細を掲載させていただきます。

『生誕 100年記念 けとばし山のおてんば画家 大道あや展』

会  場   渋谷区立松濤美術館(東京都渋谷区松濤2-14-14)
会  期   2008年8月5日(火)~ 9月21日(日)
(休館日) 毎週月曜日*ただし9月15日(月・祝)は開館、9月16日(火)休館
主 催   渋谷区立松濤美術館、東京新聞

会  場  高浜市やきものの里かわら美術館
       (愛知県高浜市青木町9-6-18)    
会 期  2008年10月11日(土)~11月16日(日)
主 催  高浜市やきものの里かわら美術館、中日新聞社

会  場  田川市美術館 (福岡県田川市新町11-56)   
会 期  2009年1月6日(土)~2月15日(日)
主 催  田川市美術館、西日本新聞社

是非、お近くの方は、お立ち寄りください。

また、復刊ドットコムをご覧の皆さんに嬉しいお知らせです。
この展覧会の会場のみでしか販売されない、大道あや展の「展覧会カタログ」を復刊ドットコムでのみ購入できることになりました。7月30日より予約販売を開始させていただきます。(発送:8月中旬)

■ 『生誕 100年記念 けとばし山のおてんば画家 大道あや展 カタログ』
B5判 112ページ(カラー91ページ)、ソフトカバー
価格:1,300円(税込)

大道あやさんの作品で、現在、流通しているものは少ないため、こうしたカラー図版は、大変、貴重なものと思います。会場に行けないファンの方は是非、ご予約ください。

投稿時刻: 午後 03:54
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2008年7月27日 (日)


『ハヤカワ文庫 SF&ファンタジイ・フェア2008』とかけまして

ディレクターの、ともおです。

早川書房さんの『ハヤカワ文庫 SF&ファンタジイ・フェア2008』が開催されています。復刊ドットコムでは、次週のメルマガでもプッシュいたします。今回のフェアは、このところ話題の「早川さん」たち、それぞれのジャンルの読書好き女性キャラクター5人が選出した本+SF編集部チョイスということだそうで、趣向別になっています。いたってオールタイムベスト的な、スタンダードな海外SFの名作が集められているので、これからたくさんSFを読んでみたい、と思っている方には最適な入門編ですね。SFニアリーでありながら距離感のある「ラノベ」好きの富士見さんのお薦めが興味深いところで、河原由美子さんのイラストが魅力的な『たったひとつの冴えたやりかた』(今度、改訂単行本も出るそうです。この文庫版は、創元さんなら『惑星カレスの魔女』並のジャケ買い度の高さでしたが、果たしてどのようになるのか)は、ラノベ的かなあとか、オタク青年が美少女ロボットを作るという『ヴァーチャル・ガール』(このストーリーは一見、キワモノめいていますが、とても良い真摯な作品です。女性作家作品的なジェンダー観を意識させられます)、また、ここに『無伴奏ソナタ』が入っているんですが、『エンダーのゲーム』は別途、チョイスされていたりと、色々な視点で楽しむことのできるセレクトです。SFスタンダード、と思われる作品の中にも、長らく品切れだった作品もあって、復刊ドットコムでリクエスト投票が受けつけられていたものもあります。復刊ドットコム的な切り口としましては、「復刊」を熱望されていた海外SF作品も多数揃っています、というあたりをお伝えできれば良いかなと思うところです。昨年、カート・ヴォネガット・ジュニアが亡くなったと思っていたら、今年は、アーサー・C・クラークが永眠されました。すでに80代、90代に入られている作家さんたちではあるので、残念ながら、しかたなく思うところではあるのですが。そうした巨匠が遺された足跡をたどりつつ、系統発生を繰り返しながら進化していくSFというジャンルの魅力を味わいたいと思うところです。ヒューゴー賞、ネビュラ賞受賞の名だたる名作が勢ぞろい、是非、特集ページをご覧ください。

■ 『ハヤカワSFシリーズ』特集

今回のフェアの対象銘柄のうち、復刊リクエストが入っていた作品を紹介します。今回のプチ・リニューアルで、投票者の皆さんのコメントも会員ログインしなくてもご覧になれるようになりましたので、是非、ご参照ください。

★『レ・コスミコミケ』(152票)
イタロ・カルヴィーノ 米川良夫 訳

★『無伴奏ソナタ』(125票)
オースン・スコット・カード 野口幸夫 訳

★『きみの血を』(6票)
シオドア・スタージョン 山本光伸 訳

★『ストーカー』 (19票)
アルカジイ・ストルガツキー ボリス・ストルガツキー 深見弾訳

★『砂漠の惑星』 (9票)
スタニスワフ・レム 飯田規和 訳

★『九百人のお祖母さん』 (5票)
R・A・ラファティ 浅倉久志 訳

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2008年7月26日 (土)


メルマガ予告(7/30号)!

ディレクターの、ともおです。

次週のメルマガの製作ミーティングをライティングの富乃と行いましたよ、金曜日。弊社と同規模の専門系オンライン書店の編集長にお聞きしたら、向こう1カ月先までメルマガの内容は決まっている、とのこと。ウチのメルマガが、あまりにも場あたり的にしか考えられていない現状が浮き彫りになってしまうのですが、良く言えば、旬な素材をその場で調理する産地直送方式、季節の小鉢つきでお送りしている感じなので、そうした野趣もついでに味わっていただければ幸いです。

さて、次回のメルマガの大きな記事としましては、ひとつは『残された人びと』の重版分の予約開始のお知らせから。元祖宮崎アニメ『未来少年コナン』の原作であるこの作品については、昨日のブログにも書いておりますのでご参照ください。続いては早川書房さんの『ハヤカワ文庫 SF&ファンタジイ・フェア2008』のお知らせ。一般書店さんでも実施されている企画なので、ウチがそのままやっても芸がないでしょう、ということで、フェアの中で復刊ドットコム的に注目している「復刊」作品に焦点をあててご紹介したいと思っております。しかしながら、フェアのラインナップを拝見していると、まあ、ものの見事に80年代以前の作品ばかりですね。海外SFのスタンダードはゆるぎないものかも知れず、だからこそ「復刊作品」が再度、注目され、重版されることもあるので、ありがたい話なのですが。ということで、メルマガのタイトルは『残されたハヤカワさん』にします(嘘です。また、却下されました。海外SFファンのみならず、多くの皆さんに開封してもらえるようなタイトルにします)。

もうひとつ、今度は、ちょっと方向性が変わりまして、知る人ぞ知る、画家にして、絵本作家、復刊ドットコムでもリクエストが数多く集まっている大道あやさん、生誕100周年を記念した初の本格的回顧展のご案内をお届けします。また、全国三カ所で行われる展覧会の会場でしか買えない展覧会カタログを、復刊ドットコムだけで販売することとなりましたので、その予約のご案内をいたします。僕も含め、うちのスタッフには大道あやファンは多いのですが、大道あやさんの絵をご覧になった方は、きっとその個性的な画風にインパクトを受けること確実です。これを機に復刊運動がもっと盛り上がれば良いなと思っていますよ。『ハヤカワ文庫 SF&ファンタジイ・フェア2008』については、明日、また詳しく書きたいと思います。

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2008年7月25日 (金)


こころがこんなにふるえるのはなぜ?

ディレクターの、ともおです。

「ポーニョ、ポニョポニョ」が頭の中に響き続けて夜も眠れず、という毎日ですが、暑さにも負けず、皆さんお元気でしょうか。『崖の上のポニョ』でこの夏も話題の宮崎アニメですが、やはり世代によって心に深く焼きついている作品は違うものではないかと思います。僕は、初めて劇場に映画を見に行った作品が東映アニメの『長靴をはいた猫』ではなかったか、というおぼろげな記憶があるのですが、あれも、宮崎駿さんが原画担当だったよう。ということで、そうした恩恵をたくさん受けて、今日にいたるわけですが、一番ぐっさりと刺さった作品は、ズバリ言って小学生の頃に初回放送で見た『未来少年コナン』ですね。

火曜日の午後七時半、ニュースの後、暗い画面に不気味な音楽とともに始まる『西暦2008年7月、地球は絶滅の危機に直面していた。核兵器をはるかに超える超磁力兵器が世界の半分を一瞬にして消滅させてしまった。地球は大地殻変動に襲われ地軸は捻じ曲がり5 つの大陸はことごとく引き裂かれ海に沈んでしまった・・・』という例のオープニング。そう、ついに問題の2008年7月がきてしまったわけです。いつの間にか、あの頃の未来世紀に突入していたんですね。NHK初の連続アニメーション『未来少年コナン』は、当時、それほど話題になったわけでもなく、学校の友人ともあまり話をした記憶もありません。実際、視聴率もそれほどではなかったそうです。ただ個人的には抜群に面白く、あのオープニングのタイトルバックに表示されていた『残された人びと』という原作名にも興味をひかれていました(いや、そんなことを気にするようになったのは、再放送の頃かな)。自分が読書をするようになった頃には、この本は手に入らない絶版本となっていました。宮崎アニメの評価はどんどんと上がっていき、コナンについても再放送やDVDなどで目にされる方たちも増えていきました。それと同時に原作の『残された人びと』を読んでみたいという声も盛り上がり、復刊ドットコムの高リクエストを受け、2003年、ついに復刊が実現したのです。

復刊以降、何度か重版を繰り返し現在にいたるのですが、しばらく在庫切れの状態となり、この復刊版もプレミアがつくような状態となっています。ということで、ファンのニーズにお応えして、2008年7月だからというわけではないのですが、この度、再度、岩崎書店様のご協力を得て、『残された人びと』の久々の重版が決定いたしました。おおおお。ということで、予約を開始します。重版出来は、今年の9月月初を予定しております。正直申し上げて、次、いつ重版できるかわからないものですから、この機会に是非、ご入手いただければ幸いです。この原作、アニメ版とストーリーには大差がありませんが、かなり印象が違います。その理由がどこにあるのか、是非、見極めていただけると、宮崎アニメの魅力も良くわかるような気がするのです。以前に感想を書いてみたものもありましたので、こちらも宜しければご覧ください。

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2008年7月24日 (木)


かーっぱ、かっぱ、かっぱ

ディレクターの、ともおです。

今日は「河童忌」です。このところ、話題が後手にまわっていたのですが、やっと追いつきました。数日前にニュースで芥川龍之介の遺書が発見される、との報道もあり、時節的に、今日は話題の日となるのではないのかと思います。遺書の発見は、焼失されたと思っていた原文が出てきたということで(ただ全集などに納められているものとは一部記載が違っている部分もあるらしいのですが)、それほど新しい発見があったわけではないのが残念なような、ちょっと安心したような不思議な気持ちです。もし「将来に対する唯ぼんやりとした不安」ではない、具体的な理由が書かれた遺書が発見されでもしたのなら、芥川龍之介という作家の解釈は変わってしまうのではないか、そんな不安も多少ありました。芥川龍之介が自殺した1927年(大正十五年)、今から81年前の今日は、どんな日だったのでしょう。雨が降っていたそうなので、少しは、暑さも穏やかだったのでしょうね。

好きとか嫌いとか、そうした感情を抱いていないのが芥川作品で、ある程度の数は読んでいるものの、関心のある作品をあげようとしても、『藪の中』ぐらいしか思い浮かびません。およそ近現代の作家に抱くような好悪の感情がないのが不思議です。個人的な思い出話ですが、大学の時の授業(国語科教育法だったかな)で、文体模倣の課題を出されたことがあります。和田誠さんの『倫敦巴里』に収録されていた、色々な作家の文体で『雪国』を書くというパロディをお手本にして、芥川龍之介の『羅生門』を他の作家が書いたらどうなるか、という試みをしました(何の目的かは忘れましたが)。僕は、中勘助などで書いてみたのですが、文体というより、作風が完全に変わってしまうのが面白いところでした。中世の説話集に材をとっていた芥川龍之介の「らしさ」とは何だったのかと考えてしまうもので、逆に中勘助的な「個人的体験」を芥川流に書くことの相容れなさ思うところでもあります。自死した作家の思惟への興味、関心はとても強いのですが、若い頃ほどではないなあ、というのが、最近の僕の心もちです。ところで、件の集英社文庫の新カバー『地獄変』はデスノの小畑氏の絵で、何故か芥川の胸像なのですが、むしろ、こちらこそジョジョの荒木氏の超絶的な地獄絵図を冠した方が良かったのではないかと思うこと多少。

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2008年7月23日 (水)


われ御身を愛す

ディレクターの、ともおです。

『流転の王妃の昭和史』という本をご存知でしょうか。清朝最後の皇帝で、後に満州国皇帝となる溥儀の弟、溥傑に嫁した日本の公爵家の女性がその波乱の生涯を記した手記です。数年前に常盤貴子さん主演でドラマ化されていたので、記憶にあるかたもいらっしゃるかと思います。政略結婚にもかかわらず、強い愛情を育み、結ばれた二人が、大きな時代の波に翻弄されながらも、手をとり合い生き抜いて行く姿が感動的な一冊です。戦後、戦犯として溥傑氏は拘束され、ハルピンに拘留中であった1957年、お二人の長女であり、まだ学習院大学の学生であった慧生さんが殺されるという事件が起きます。『流転の王妃の昭歴史』を読んだ際には「殺された」という印象だったのですが、この事件には、もうひとつのサイドがあるのだということを知ることになりました。同じ大学に通う男子学生につきまとわれ、誘拐されて無理心中させられたというのが『流転の王妃~』の主張ですが、一方で、この犯人とされる男性と慧生さんの間には、愛情関係があり、家や身分の問題から赦されない関係が故に、世をはかなんで心中したとする説もあるのだそうです。いきなり「殺されてしまう」という突然の展開に衝撃を受けたものですから、逆に、この見解には多少、ふに落ちるところもありました。

先週、復刊ドットコムで『われ御身を愛す』という本にPVが集っており、得票数はまだ少ないものの、その内容が気になっていました。リクエスト内容によると、上記の慧生さんと、犯人とされる大久保武道氏との往復書簡であるとのこと。皆さんが寄せられているコメントも大変に興味深く、「事件」のもうひとつの真相がここから垣間見える、ようなのです。僕は、この本の存在すら知らなかったものですから、少々、驚くとともに、何故、今、この本にリクエストが集中しているのか、その要因が知りたくて調べてみました。結局、今回のPV上昇の理由はまだ良くわからないのですが、かつてこの書簡集がベストセラーとなっていたことや、そして『流転の王妃の昭和史』が、後から、この事件についての見解を述べていたのだということがわかりました。復刊ドットコムは、現在、三万七千点を越えるリクエストを抱えており、そのすべてを把握することは難しく、得票数が高いものや、PVが急上昇している話題のリクエストを調査し分析を行っております。そうした情報を、復刊ドットコムとして発行元の出版社様に提供し、復刊や重版に役立てていただくための働きかけをしています。調査を行っていると、ひとつひとつのリクエストに寄せられた想いや、流通市場から消えていった本が持つドラマに深く感じ入ることがります。復刊ドットコムのトップページなども販売商品の紹介が中心になってしまっているのですが、今後の方向性として、もう少し、絶版となってしまった興味深い本の魅力を伝えることができたら良いなと思っています。課題は多く、なかなか前に進めませんが、少しずつ、理想に近づければ良いなと思います。皆様からの情報もとてもありがたく、頼りにさせていただいております。今後とも、是非、復刊ドットコムにご協力いただければ幸いです。

※その後、この本が、テレビで取り上げられていた、ということがわかりました。

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2008年7月22日 (火)


しものせきより愛をこめて

ディレクターの、ともおです。

7月10日(木曜日)から下関市美術館で開催されていた『少女マンガ3人展』のメインイベント、水野英子先生、青池保子先生、文月今日子先生、お三方によるトークショーが、7月20日(日)に行われました。「豪華結集!3人トークショー ~私と少女マンガ、そして下関~」と題して、ご自身のマンガ世界と下関への思いを語ってもらう、という地元出身の少女マンガ家3人に焦点をあてたこの展示会ならではの企画です。お伺いすることができなかったので、ファンの方たちのブログやSNSの日記での報告を拝見していたのですが、なかなか盛況な催しだったようです(以下、許可をいただいて多少、引用もさせてもらっています)。青池先生が水野先生の影響を多く受けられているというのは、『エロイカより愛をこめての作り方』でも触れられていますが、青池保子コレクションなどで初期の作品を拝見していると、そのタッチへの影響も強く感じます。その両先生の対談ということですので、その場で目にされたファンの方たちには感慨深いものであったようです。青池先生も文月先生も「水野先生に影響されて、お涙頂戴よりも、スケールのでかい骨太を描く様になった」という話をされていたそうで、地元の先輩作家というだけでなく、少女漫画界の中で水野英子さんの果たされた草分けとしての存在感と、どんなにリスペクトされているかが伝わるものだったようです。青池先生は、ファルコとアルカサルを今後もまだまだ描かれるとか、エロイカは年末ごろプリンセスゴールドに新シリーズが載るなどと、ファンには嬉しいニュースも沢山、あったようですよ。

僕が青池先生の『エロイカより愛をこめて』を読み始めたのは二十五年ぐらい前の中学生の頃で・・・EC博のあたりが最新刊だったかなあ(7、8巻でしょうか。それとも棺桶刑事のあたりだったかな)。少年漫画にはない世界観にとても驚かされたことを覚えています。さかのぼって『イヴの息子たち』も読みましたが、あまりノレず(ニジンスキーは好きですが)、一層、エロイカ~の少佐の台頭とともに深まっていく非情なエスピオナージと、コミカルなキャラクターたちのバランスの妙、ストーリーの巧みさにぐいと惹きつけられたものです。まさか、自分の勤める会社で青池先生の本を出版できるようになるとは、思いもよらない幸甚でした(新装版の画集『PLUS ULTRA』を皮切りに、初期作品を集めた青池保子コレクション(全5巻)が発行されています)。今回、サイン会で、エロイカのあのイメージLPを持ってこられた方がいたそうで(実はウチにもありますが)、先生も大変、驚かれ、そして喜ばれていたそうです。それは、同世代、以上の方だろうなあ。九州や、中部、関東からこられた方たちもいらっしゃったようで、ファンの方たちのパワーもみなぎるイベントとなったようです。この後も、8月3日(日)まで展示会は続きます。カラー原画や、当時の雑誌、単行本の展示など、それだけでも、素晴らしい貴重なものが揃っているそうですので、お近くの方は是非、足を運んでいただければ、幸いです。

■ 『水野英子』特集ページ
■ 『青池保子』特集ページ
■ 『文月今日子』リクエストリスト

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2008年7月21日 (月)


時をかける『時をかける少女』

ディレクターの、ともおです。

先週の土曜日にフジテレビ系で、二年前に製作された『時をかける少女』のアニメ版がオンエアされていました。ロードショーの時には、今更「時かけ」?と思ったものでしたが、同時期に上映されていた、鳴り物入りの『ゲド戦記』をはるかにしのぐ評価を得て、スマッシュヒットとなったことは記憶に新しいところです。復刊ドットコムでもこの作品の背景画集の販売をさせていただきましたが、大変、好評でした。第一線のスタッフたちよるリメイクは、懐かしい作品にあらたな息吹を吹き込み、新しい世界が創造されたのです。というか、今回のリメイクは原作の名残を探すほうが難しい。むしろ高畑京一郎さんの『タイムリープ』を想起してしまったぐらいです。つまり、SFジュブナイルというよりはラノベ感覚、ということでしょうか。ただし「実験室」は健在でした。これは「時をかける少女」には欠かせないマストアイテムですね。

筒井康隆さん作による『時をかける少女』は、1965年に書かれた、シニカルなエスプリにあふれた筒井作品としてはむしろ異色のジュブナイルです。ふとしたきっかけで時間跳躍をする能力をもってしまった少女が不思議な体験をする物語。事件を経て、ちゃんと「ふりだしに戻る」物語性が秀逸なタイムファンタジーです。最初の映像化は72年のNHK少年ドラマシリーズ、『タイムトラベラー』(なつかしのケンソゴルですよ)。もっとも有名なのは、83年の大林宣彦監督版、原田知世さん主演の映画版ですね。抒情的な仕上がりの作品で、原作にプラスされたものや、その後の『時をかける少女』へ与えた影響は大きかったのではないかと思います。その後、中川勝彦さん(翔子さんのお父さん)が出演されていたものや、内田有紀さん主演のドラマもありましたね。原作が書かれてから40年以上、数々の解釈が加えられながら、今回のアニメ化作品にいたるのですが、果たして、『伊豆の踊り子』の映像化とどっちが多いのか、と思わせるところです。しかも新解釈の振り幅が広い。まあ、スタンダードな文芸作品になったということですね。

復刊ドットコムでは、NHK少年ドラマシリーズの『タイムトラベラー』を書かれた石山透さんの脚本集や、その続編であり、原作を離れ石山さんが創作された『続タイムトラベラー』に得票が集まっています。石山透さんは、人気の人形劇『新八犬伝』の脚本家でもあり(このノベライズも高得票を集め、ブッキングから昨年、全三巻で復刊されました)、当時のNHKの夕方の時間帯で数多く活躍されていたんですね。第一世代から、アニメ版の背景画集までをカバーする復刊ドットコムのファン層の広さに、驚かされるところです。

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2008年7月20日 (日)


『妖精物語』

ディレクターの、ともおです。

「妖精」の通弊したイメジと言うと、キラキラとした羽が生えて、ピラピラとした服を着た女の子というところでしょうか。ちょっとそれはワールドワイドに商業化されてしまったキャラクターという感じがします。妖精キャラの代表格と言えば『ピーターパンとウェンディ』のティン・カー・ベルであって、彼女の嫉妬深さはかなり「妖精的」ですが、ピーターパンの(ディズニーアニメではなく原作の)方が、性格的にはもっと妖精めいている気がしています。つまり、気まぐれに優しかったり、冷たかったり、邪気はないけれど、突然、無茶苦茶なふるまいをする破天荒さを持っている、そんな存在感です。ケルトの薄暮、アイルランドの森に住む、あの伝承の妖精たちのことを『救われないほど良くもないが、救われぬほど悪くない堕天使』と農民たちは信じているとW・B・イエイツは伝えています。つまりは「野良の天使」です。でも、心優しい天使というよりは「小鬼」に近いものかもしれません。群れをなしているタイプの妖精は、おおむね温和なたちだそうですが、人間としては、けっして距離感を誤ってはなりません。親切にしていればそれなりに報いてくれるものの、時として冗談にならない悪戯をしかけてくる、手ごわい相手なのです。そんな原初の妖精の魅力を伝える、一冊の本が発行されました。

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『妖精物語 遙かな国の深い森で』


朽木祥 文
スザンナ・ロックハート 絵
発行:講談社

この『妖精物語』は、ちょっと特殊な本です。イギリス在住のイラストレーターによって描かれた、綺麗な妖精たちがたくさん描かれたスライド式の仕掛け絵本なのですが、そのテキストは、発行される国々によって、まったく違うものがつけられているのだそうです。日本版のテキスト作者に選ばれたのは、気鋭の児童文学作家、朽木祥さん。これまでに朽木さんが書いてこられた、いずれも高評価を得た作品では、「河童」や「きつね」などの妖力を持った存在がバイプレーヤーをつとめてきました。土着の「あやかし」たちを物語の構成要素に用いるものの、朽木作品にとってファンタジーの要素は、物語のテコとして作用するものでした。児童文学的なデリケートな心象を描きだしながら、あやかしのまやかしめいた幻想の情景の美しさも描く。そんな、心象と情景がスパークする瞬間を巧みに紡いでこられた美文を以て知られる作家さんです。ところが今回は「妖精」という題材。次は「天狗」か「鬼」か、と和物のラインを想像していたら、意外なところがきました。実は、朽木さんは、妖精伝承を多く遺すアイルランドに精通した英文学研究者であるため、今回のテキストもまた本領発揮ではあるのです。予想通り、ファンシーなメルヘンに堕さない、メルフェンの神秘性と、民話伝承を文学的に語るイエイツ流の文学性を持った言葉で、このイラストを解釈した作品を作り上げられています。

復刊ドットコムでは「妖精・精霊」ジャンルへの人気が高く、先日も、日本の妖精研究の第一人者である井村君江さんの『妖精学大全』をご紹介しましたが、今回は、その井村君江さんも推薦の本格妖精絵本の登場をお知らせしてみました。ところで、復刊ドットコムでは「妖怪」も人気なのです。それぞれの民族固有の伝承ということでは一緒ですが、どうも妖精ファンと妖怪ファンはかぶらない気がするのは、不思議です。

■ 『妖精・精霊』特集ページ
■ 『幽霊・お化け・妖怪』特集ページ
■ 『昔話・民話』特集ページ

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2008年7月19日 (土)


メルマガ予告(7/23号)!

ディレクターの、ともおです。

金曜日はメルマガ会議。今週号に対する皆さんの反応が出始めているので、反省をメルマガライティングの富乃と行いました。コミックの復刻を多く手がけられている小学館クリエイティブさんの特集の第一弾。僕の予想通りだったのは、山上たつひこさんの『光る風』完全版の人気です。富乃は『にぎり寿司三億年』推しだったので、『光る風』の方に人気が集まっているのを不思議がっていましたが、いかに、この作品が漫画史上において有名な作品であるかということですよ(と、僕が自慢することではないんですが)。そして、つげ義春さんの『生きていた幽霊』。1956年の作品ということですから、ごく初期の作品ですね。個人的にはあの井伏鱒二調の抒情的作品や、後期の私小説的な作品がすきなのですが、貸本時代のものも光るものがあります(あの古本屋の女の子と少年の話はなんて言ったかなあ)。やはり「付録として、著者4年ぶりとなるインタビューを収録した小冊子」がつく、というのは相当な魅力ですね。有名な『ねじ式』しかご存知ない方には不条理漫画家と思われがちですが、とても文芸色が強いんですね。作家へのラブが強いファンが多い漫画家さんだと思います。そういえば、『ねじ式』も映画化されているんですね、『赤んぼう少女』もそうですが、漫画としてインパクトのある作品が実写化しようという試みは、なかなかハードルが高いのではないかと思うところです。来週のメルマガでは引き続き、小学館クリエイティブ復刻漫画作品を第二弾で紹介させていただきたいと思います。どうぞお楽しみに。

さて、来週のメルマガでは、まず「復刊ドットコムの機能改善」のお知らせをしたいと思っております。7月22日(火)の9:00過ぎ(ぐらい)から、復刊ドットコムが少し変わります。メルマガのタイトルも現時点では『プチリニューアルだよ全員集合!』号を予定しておりますが、もうひとヒネリするかも知れません。2006年の10月にリニューアルした復刊ドットコムは、当時の経営層の「方針」が機能上に影響を及ぼしていた部分が確実にあります。この春から、新しい組織体制で、現行のスタッフが復刊ドットコム運営に取り組んできましたが、自分たちの考える情報提供の形を実現できるよう、いくつかの「開発」を試みました(無論、予算とせめぎあっていますので十全ではありません)。中には、「元にもどした」だけの開発もあります。皆さんがストレスを感じられているだろうことをとりのぞき、より広く、復刊ドットコムに楽しんで参加していただけるようにしたものです。今回の機能改善は、以下のものが主となります。

① ログインしなくても、リクエストの得票数、コメントが見られるようになりました。
会員になっていただかなくても、興味がある方は、全コメントの内容を参照できるようになりました。(投票には一人一票の公正をきすため会員登録が必要です)

② リクエストページで復刊ドットコムで発売している「関連商品」の紹介がなくなりました。
悪評であった「関連商品」紹介をカットし、内容情報の下に、すぐに投票者のコメント欄がつながるようにしました。

③ amazonリンクを各リクエストに入れました(ISBNが判明しているもののみ)。リクエストページの右上にリンクが表示されるようにしました。これによって、本の画像が参照できるようになりました(amazon側に画像があるもののみ)。また、マーケットプレイスでの当該の書籍についての古書価格が参照できるようになりました。リンクをたどっていただければ古書の購入も行えますが、むしろ、現在、リクエストされている本の市場価格がどの程度になっているのか、知っていただき、より復刊活動に役立てていただきたいと思っています。また、amazonで販売されている関連商品も表示されるようになりました。同一著者の関連本などが掲示されるようになりますので、こちらもご参照ください。今後は、リンク情報が変化していきますので、随時、リクエストページをお訪ねいただければ、幸いです。

機能改善は、今後も漸次行って参ります。都度、この場所でお知らせしたいと思っております。今にして思うと、どうしてあのような仕様になっていたか、どのような意図があったのか、など当時の意思決定について疑問に思うところもあります。自分たちスタッフは、もう少し復刊ドットコムの理想に近づけるよう、情報を開示して出版社さんに協力してもらえる形にしていきたいと思っています。より多くの復刊を実現するにはどうしたらいいのか。皆さんのご要望や熱意を形にするにはどうしたらいいのか。また、復刊ドットコムは、サイトとしてどのようなサービスを提供していけば良いのか。事業体としての理想はあります。ポリシーもあります。意義のある仕事をしたいと思っています。一方で、組織として経営上の問題もあります。書籍の物販収益と、多少のアフィリエイト広告の収益で運用しているサイトですので、なかなか、今の時世では難しい部分もあります。しかし、多くの本が好きな方たちに支えられて、これまでやってきたビジネスですし、その心意気や良し、と思ってくださる方たちも多い復刊ドットコムを運動体としてより盛り上げていきたいのです。多くの皆さんに集まっていただき、楽しんでもらえるよう、今後もサイトを充実させて参ります。どうぞ、宜しくお願いいたします。

すいません、ちょっと硬くなりましたが、是非、プチ新しくなった復刊ドットコムをご覧になってください。お待ちしております。さて、メルマガの方は、他にも、お薦めの商品をパワープッシュしています。今週の復刊、新刊のラインナップをとりそろえて、復刊ドットコムらしいセレクトでお送りしますので、どうぞ、お楽しみに。

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2008年7月18日 (金)


君も行くなら僕も行く

ディレクターの、ともおです。

このところの復刊のニュースでうれしかったのは檀一雄さんの『夕日と拳銃』が復活することです。角川書店さんから七月末の発売予定。代表作ではあるけれど『火宅の人』のような純文学私小説作家としてしか想起されない檀一雄、のイメジを覆す怒涛のエンタメ作品なのですよ。面白いんだ、これが。主人公、伊達麟之助は、名家の血を継ぐといわれる青年なんだけれど、破天荒で豪放磊落な快男児。日本を飛び出し、日中戦争直下の中国大陸で馬賊の頭目として活躍するという壮大な大陸ロマン。実在の人物をモデルにした虚実皮膜の近現代歴史小説ですが、麟之助の猛々しくも、どこかノンキなキャラクターが魅力的な作品です。二十年ぐらい前に、当時、古書店を探して購入し読んだ(この時は角川版でした。その後、河出文庫に出たのかな)気がするのですが、いまだに記憶の中で輝いている「面白い小説」のひとつです。是非、お手にとっていただければ嬉しいです。

それにしても「馬賊」。パイレーツ某はもちろんのこと、「海賊」ならば、国内作品でも『ONE PIECE』しかり『少女海賊ユーリ』しかり、いまだに物語文化に根づいていますね。自分もビッケ世代だったりするので、そのあたり郷愁すらあるというもの。ところが「馬賊」というと、これがかなり時代感覚にあふれたものになってしまうのです。というか、なんなんだ馬賊って、という感じです。僕が、年少の頃の最初の「馬賊」との出会いは(無論、本物ではなく、物語の世界でですが)、『はいからさんが通る』で、行方不明になった少尉を探しに大陸にわたった紅緒と、今は馬族になった少尉の部下の鬼島が出会うという、えーと、ご存知ない方には全然興味のないディテールからです。その後、大正~昭和初期の少年小説に興味を持つようになりました。当時の少年たちが、山中峯太郎が描く、海の向こうの亜細亜の曙の下、馬賊や大陸浪人や極東の快男児たちが跋扈する姿に胸躍らせたことや、華宵らの抒情画のちょっと妖しくも感傷的な少年趣味に浸ったであろうことを想像して、そんな「大陸ロマン」にサムシングを感じていたわけです。これが「侵略戦争」や「国策」と非常にニアリーなところにあるので、純粋に楽しんでいいのかというと微妙ですが。ともかく、そうした少年たちの心震わせる「馬賊」的なものがかつてあった、という近現代文化史の仇花がちょっと甦るような復刊に、少しときめいていたのです。

投稿時刻: 午後 01:06
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2008年7月17日 (木)


「西の魔女」は死んだり、生き返ったり、映画化されたり

ディレクターの、ともおです。

梨木香歩さんの『西の魔女が死んだ』が楡出版さんから刊行されたのは今から十年以上前の1994年のことでした。それが梨木さんの単行本デビュー作となりますが、それ以前から児童文学誌『飛ぶ教室』には何篇か短編が掲載され、児童文学ファンの注目を集めていただけに、この『西の魔女が死んだ』の刊行は嬉しいニュースでした。当時、僕は取次のエレベーターで、たまたまこの本の新刊見本を手にされていた楡出版の方と乗りあわせるという好機があり、刊行をいち早く知ることができた記憶があります。『飛ぶ教室』でのデビュー作が『西の魔女~』のスピンオフ作品(『渡りの一日』とも別の作品)で、それに衝撃を受けていたものですから、本編にはかなり期待していたのです。楡出版さんの一時期の活動休止に呼応して『西の魔女~』は96年に小学館さんに移り(小学館版も現在、入手不可能のようでリクエストがはじまっていますね)、後に2001年に新潮社さんで文庫化されます。この間、数々の名作を生み出し、高い評価を受け、各賞を受賞された梨木さんは児童文学ファンのみならず、一般的な人気をも獲得されています。そして、今度は映画化です。ひとりの作家が世の中に受け入れられ、ひとつの作品が進展していく様子をつぶさに見た感じですね。どんな本もそれぞれの生き様をもっています。複雑な事情もままあります。復刊という蘇生には、本の在りし日を偲ぶだけでなく、もうすこしアクティブな調査活動が必要とされます。皆さんと情報を共有して一冊でも多くの復刊に結びつけていきたいと思っております。情報提供に是非、ご協力をお願いします。

さて、西の魔女といえば思い出すのは荻原規子さんではなく、元祖「オズ」シリーズです。個人的に好きな『オズのつぎはぎ娘』などにもリクエストが入っております。色々と思い入れがあるのですが、長くなるのでまた稿を改めまして。

■ 『ライマン・フランク・ボーム』特集ページ

※通勤電車が事故でなかなか動かず、今日のブログ原稿、既に書き終えたもののまだまだ会社にはつきません。ぬう。それにしても最近の携帯電話の進化には驚かされます。このぐらいの長さの文章なら車内で書いていてもストレスフリーですね。

投稿時刻: 午後 12:25
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2008年7月16日 (水)


『雪の下の炎』、状況報告!

雪の下の炎』(パルデン・ギャツォ 著)にリクエストいただいた皆さまにお知らせです。

復刊ドットコムを運営するブッキングからの刊行を実現すべく、

元出版社(HARVILL PRESS社、イギリス)との交渉を開始いたしました。
(※新潮社からの再刊の可能性はなくなりました)

無事交渉が成立すれば、今秋にも復刊実現の予定です。   

新たな情報が入り次第、随時こちらのブログにてお知らせいたします。

また、本書の著者であるパルデン・ギャツォ師が、きたる7月24日(木)、
下記のイベントにて講演されますのでご案内いたします。

イベント『受難と祈りー、チベットを知るための夏

(以下、上記HPブログより)
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いまや入手困難になってしまった『雪の下の炎』の著者、
パルデン・ギャツォ師が「受難と祈りー、チベットを知るため
の夏」で特別講演をしてくださることになりました。

30数年に及ぶ勾留での過酷な体験を通して、チベットの
文化、宗教、中国の弾圧について語ってくれます。

通訳は「受難と祈りー、チベットを知るための夏」の仕掛け
人でもある、ダラムサラのNGO「ルンタ・プロジェクト」代表
の中原一博が担当。チベット受難の歴史をどう語り合って
くれるのか・・・みなさんぜひご来場ください!

7月24日(木) 19:00~21:00  
会場 東中野 space&cafe ポレポレ坐 03-3227-1405
会費 2000円
予約 info@tibet-free-tibet.com
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投稿時刻: 午後 02:12
その他 | | トラックバック (0)


初夏の舞姫

ディレクターの、ともおです。

「桜桃忌」を忘れていたと思ったら、「鴎外忌」も忘れていました。7月9日でしたね。一週間も過ぎていました。主要な文学忌はカバーして、何か企画を試みようと思っていたのですが、うっかりが多いです。文学忌には、名前(号)+忌、となる場合と、作品名+忌となる場合があるんですね。「舞姫忌」でもいいのではないかとも思ったのですが、高踏派の文豪の忌日としてはいささかリリックすぎでしょうか。他に鴎外の著名なタイトルで、バランス良く二文字と言えば「青年」ですが、「青年忌」もまた鴎外らしくないかも知れません。

ところで、鴎外作品の復刊ドットコムでのリクエストは、というと、意外にないんですね。研究書だけで、鴎外自身の作品はほぼない。というのは、著作権の保護期間を過ぎた作品であるため、色々な出版社から作品は発行されていますし、青空文庫でも大体の作品は読めるからではないでしょうか。明治期の大文豪の作品は「復刊ドットコム」的ではないのかも知れません。森鴎外の作品、僕が一番好きなのは、意外にも『寒山拾得』のオマケ的な『寒山拾得縁起』だったりします。この作品で鴎外は、子どもに対して自分のことを「パパア」と称しているのですね。このお子さんが、森茉莉さんなのかな、などと思うと想像が膨らみます。最近、『孤独のグルメ』も復刊された谷口ジローさんが、関川夏生さんとコンビで描かれた『「坊ちゃん」の時代』シリーズに、鴎外が子ども時代の茉莉さんと連れ立って出てくる場面がありました。この時、茉莉さんは「パパア」と呼ばれていたか、「パッパ」と呼ばれていたか。たまに読み返したくなるんですね、このシリーズ。

鴎外は、あまり復刊ドットコム的ではありませんが、森茉莉さんは、かなり復刊ドットコム的です。それほどリクエストが多いわけではありませんが尾崎翠さんとか、武田百合子さんとか、もうすこしカルト的な感じになると、鈴木いずみさん、小泉喜美子さん、そして、無事復刊を果たした佐々木丸美さんが、そうしたイメージでした。非常に熱心な一部のファンに支えられた作家さん、という共通項はあるかな。メインストリームの文学であるかどうかよりも、ファンの思いいれは、書籍流通的に逆境であるからこそ燃え上がることもあります。復刊ドットコムは、そんな熱意に支えられて、本日も営業中です。

投稿時刻: 午前 10:00
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2008年7月15日 (火)


今日は「ファミコンの日」

ディレクターの、ともおです。

今日、7月15日は、「ファミコンの日」です。1983(昭和58)年に、任天堂が「ファミリーコンピュータ」の初号機を発売した日を記念して選定されたそうです。ゲーム機なのに「コンピュータ」と名づけられていることも斬新でした。当時はコンピュータなんて、汎用機のビジネスユースか、一部のメカ少年たちが自作ゲームを組み立てたり、線画の3Dグラフィックに挑んだりするマニアックなもので、ゲームと言えばアーケード(ゲームセンター)が中心であった時代です。とはいえ、ファミコンの登場で、RPG(ロールプレイングゲーム。たまにローリングプレイゲームと言い間違えます)というものを、家で腰を据え、じっくりと体験できるようになったことは大きいですね。「ドラゴンクエスト」をはじめとしたRPGの世界は、本に書かれた名作物語の換骨奪胎から始まって、だんだんとオリジナリティに溢れた世界観を活き活きと見せてくれるようになりました。耽溺しましたなあ。「ふっかつのじゅもん」を泣きながら書き写したものです。

ドラクエの当初の製作秘話については、この本が詳しいです。『ドラクエの道』。堀井雄二、鳥山明、すぎやまこういち、など伝説のドラクエスタッフが実名で登場するのも魅力的な一冊です。復刊ドットコムで『すぎやまこういちの体験作曲入門』に高得票が集まり、ブッキングから復刊した際に、(この本はもともとドラクエ以前に書かれた本だったのですが)新装復刊の特典として、新規にすぎやま先生の「ドラゴンクエスト」手書き譜(2P)を収録させていただきました。これはファンには嬉しい追加となりましたね。

gooランキングで『思い出に残るファミリーコンピュータのゲームソフトランキング』というものが出ていました。なるほどねー、と思うようなラインナップとなっていますので、是非、ご覧ください。復刊ドットコム的な注目点としては、コミックやドラマがゲームになったのではなく、こうしたゲームを基点として、後から、独立した作品として本になったものが多い、ということですね。そうしたものでは『ロックマン』が代表格でしょうか。87年12月に発売された『ロックマン』は去年の12月に20周年を迎えて、今年は記念本なども発行されました。ロックマンのゲームも派生し、新シリーズが生まれ、またコミック化されたものもあります。コミックボンボンで連載されていた岩本佳浩さんの『ロックマンX』は、復刊ドットコムでも250票を超える高得票を集め、ブッキングから全5巻(単行本未収録分も含めて)で復刊されました。驚くべきことに、このコミック、年を追うごとに販売数が伸びていて、版を重ね続けています。昨年末のアニバーサリー以降、間もないということもあるのでしょうが、まだまだロックマン人気は根強いのだなと思うところです。そして、ついに任天堂willで「ロックマン」が復活するとのニュースが聞こえてきました。「新しいファミコンソフト」というコンセプトが不思議ですが、ゲームの世界も温故知新なんですね。ということで、本の世界の温故知新は是非、復刊ドットコムで。

■ 『ファミコン』特集ページ
■ 『ロックマン』特集ページ

あ、忘れちゃいけない。復刊ドットコムとしては、ファミコンと言えば『MOTHER』でした。
ただいま、『MOTHER2』(久美沙織)の仮予約受付中、500部受注で復活決定です。『MOTHER』は販売を再開しましたので、すぐに手に入ります。『マザー』関連は、復刊リクエストも多くて、これも多くのメディアミックス作品を生んだ母体となったゲームですね。

■『マザー』特集ページ

投稿時刻: 午後 04:15
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2008年7月14日 (月)


あかね書房さんから復刻児童書がこんなに!

ディレクターの、ともおです。

この度、あかね書房さんから六冊の児童書の復刻が行われます。これが、とても素敵なラインナップなのです。是非、復刊ドットコムのユーザーの皆さんにもご紹介したいと思います。

まずは「日本の創作幼年童話」シリーズからの二作品。この幼年読み物のシリーズは、1960年代後半から70年代前半に発行されたものなのですが、著名なところでは神沢利子さん&堀内誠一さんの『ふらいぱんじいさん』や、個人的にとても思い入れのある山中恒さんの『このつぎなあに』などが入っていたシリーズです。今回の復刊では、現代でもトップの人気を誇る詩人、谷川俊太郎さんの文章と、イラストレーター和田誠さんの遊び心にあふれたセンスが光る『しのは きょろきょろ』。そして、このところ復刊が続いている渡辺茂男さんの文章と、渋沢龍彦氏との書簡集の刊行などでも注目を集めている(というか『ぐるんぱのようちえん』のという方が良いのか)堀内誠一さんの絵による『しゅっぱつしんこう』が刊行されます。そう、のりもの、と言えば、じぷた、の渡辺茂男さんですね。二作品ともドキドキするような傑作です。


Photo_8 『しのはきょろきょろ』 
谷川俊太郎 作 和田誠 絵

しのは きょろきょろしたよ。
しのの むねはどきどきしている。
しのの あしはかけだしそう。

だって、5歳の女の子、しのは、たったひとりでデパートにいるんだから。でも、迷い子になったわけじゃないんだ。7階の美容院でお母さんが髪をセットしてもらっている間だけ、ほんのちょっとの冒険を楽しんでいるのです。しのの視線で描かれる大きなデパートの中は不思議に満ちていて、あたりまえのエレベーターにとまどったり、あたりまえじゃないファンタジーな展開にも動じなかったりするのです。子どもの頃のデパートの、あの見るものすべてがめずらしくて、なんでも大きく見えた世界の広がりと、ワクワクする気持ちが、いっぱいつまった楽しい作品です。


Photo_9 『しゅっぱつしんこう』 
渡辺茂男 作 堀内誠一 絵

なにがいったい、出発進行するのかと言えば、電車でも、バスでもなくって、いや、電車でも、バスでもある「としょかん」なのです。ある町で、使われなくなったのりものを図書館にしようという試みが行われました。これが、好評だったために、どんどんといろんな町に広がっていって、ぐんぐんスケールアップしてしまうのです。やがて、国家レベルの巨大なプロジェクトにまで発展して、世界をも巻き込んでいく大変なことになるのですが、これは読んでのお楽しみ。「行きて帰りし」物語のパターン。くりかえしながらどんどんと広がっていく面白さ。ワクワクが止まらない展開と、なんともいえない優しさにみちあふれた大人たちの善意に、思わずなごんでしまいますよ。


続いて、1970年代後半の「あかね創作どうわ」シリーズから、川崎洋さん&飯野和好さんの『ぼうしをかぶったオニの子』と、灰谷健次郎さんと坪谷玲子さんのコンビによる『子どもになりたいパパとおとなになりたいぼく』をご紹介します。


Photo_10  『ぼうしをかぶったオニの子』 
川崎洋 作 飯野和好 絵

オニってちょっとかなしい、というのは、民話ならぬ、現代童話ではいつも描かれる宿命ですね。怖いと言われて、人からいやがられるんだから、寂しくもなってしまうのもしかたない。「心の優しいオニの家」なんて、看板だしても無駄なのです。だから、たったひとりのオニの子は、ぼうしをかぶってオニであることを隠し、いろいろなものとふれあっていきます。文章が描き出す情景の美しさを、絵がおぎなって、大きな広がりを持った世界を見せてくれます。飯野和好さんの、あの懐かしい初期のタッチが、すごくいいんですね。淡い色調のカラーと、びっくりするような大胆な構図が川崎洋さんの詩的センスあふれる文章とあいまって、美しい情景とオニの子の心象を彩っていきます。文芸的な美しさとアート的なセンスが融合した一冊です。


Photo_12『子どもになりたいパパとおとなになりたいぼく』
灰谷健次郎 作 坪内玲子 絵

こちらは、一見、スタンダードな作品に思えます。子ども視点で、粉飾も装飾もせず、素直に描きだされた無邪気な世界。でもこの作品、お父さんが、ちょっと「疲れている」のが気になります。それは「仕事」に対して?、いえ「人生」すべてになのでしょうか。お母さんとの関係も、ちょっと微妙な雰囲気もあります。子どもが大人になりたい、と夢見るのと、大人が疲れた顔をして、子どもにもどりたい、というのは深刻さが違いますね。深層は言葉にはされませんが、邪推と想像を重ねて最後のお父さんのセリフを読むと、ちょっと泣けてきます。お父さん、一体、今、どんな気持ちで働いて、家庭を支えているのかな。がんばっているお父さんと無邪気な子どもの対比が、とてもとても、深い作品です。


さて、1980年代に入りまして、今度は「あかね創作えほん」シリーズから、絵本の復刊が二冊。長谷川集平さんの、とっても可愛い作品と、神沢利子さん+田畑精一さんのこれもまたカワイイ作品です。こうやって時代をおって、作品を見ていくと、変遷を感じますね。


7 『7月12日』  
長谷川集平 作絵

誕生日のパーティーに田中君と長谷川君の二人の男の子を招いた、ゆみ。でも、本当にてきてほしかったのは、ゆみが好きな長谷川君だけ。はりきる田中君と、おとなしくて照れ屋の長谷川君。このぐらいの年頃って、女の子のほうがマセていますね。男の子を「好き」だなんて気持ちを抱いたりしても、少年たちの関心はまだ昆虫の方にあったりして。そんな季節の、淡くドキドキした感じがいいんです。緊張したり、照れまくったり、お母さんに図星を言い当てられたり。ゆみの表情がすごくいい。むろん長谷川作品ならではの大胆な構図も健在です。あの怪作、『パイルドライバー』にも通じるような、キュートな長谷川集平作品の魅力満載です。


Photo_14 『たこのタコちゃん』 
神沢利子 作 田畑精一 絵

神沢利子さんの作品にはいくつかの側面があるんですが、これは素直に楽しめる愉快な作品です。浜にうちあげあれたタコの子のタコちゃんが騒動をまきおこすお話。お祭りにまぎれこんだタコちゃんは、具合が悪くなったお囃子のおじさんに代わって、その足をたくみに使って笛をふき、お祭りをもりあげます。僕が個人的に怖れていたのは、タコ焼き屋とのニアミスですが、さすがにそんなダークな展開はなくほっとしました。安心して読める作品です。田畑精一さんは『おしいれのぼうけん』や、『太陽の子』の挿絵の印象がすごく強いのですが(なのでわりと漆黒の印象があるんですね)、この作品は色彩豊かでグラフィカルというか、80年代的なポップさを感じます。

すいません。ちょっと盛り上がって、長々と書いてしまいましたが、本当に良品揃いの復刊です。今回、あかね書房さんにご連絡をいただいて、あらためて手にとって見ましたが、一作、一作の精度の高さにため息をついてしまうような作品ばかりなんですね。復刻版として美しく甦ったこれらの作品、是非、ご入手いただければ幸いです。

■ あかね書房  特集

まだまだあかね書房さんには、品切れのままになっている沢山の素敵な作品があって、復刊ドットコムにも多くの得票が集まっています。今回、あかね書房のご担当者様と、お話する機会があったので、リクエストをくださっている皆さんの熱意をお伝えいたしました。新刊でも良い本をたくさん刊行されている、あかね書房さんですが、過去の名作もまた、読み返す価値のある作品ばかりです。是非、今後ともその出版活動に期待して参りましょう。僕がおまけブログで書いている、あかね書房特集も宜しければご覧ください。

投稿時刻: 午後 12:33
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2008年7月13日 (日)


武将へのラブと、武将ズラブ

ディレクターの、ともおです。

先日、TVのニュース番組で『若い女性に戦国武将がブーム』というトピックが報じられていました。家紋のシールやストラップなど、武将グッズを集める若い女性たちは、戦国武将に現代の男性にはない強烈な個性や強いリーダーシップを求めているのだという落とし所の、まあ毒のないニュースです。ところで、若い女性の武将ブームはこうした「明るい表通り」のものだけではなく、ダークサイドでこそ満開なのです。毎度、訪れるたびに衝撃を受ける、あの池袋の乙女ロードの各コミック書店でも戦国武将モノは百花繚乱でした。特に、昨日、見たところでは『戦国BASARA』の二次創作同人誌がかなり場所を占めていました。「伊達政宗(受)」「真田幸村(受)」「毛利元就(受)」「長宋我部元親(受)」などの分類や、任意のカップリングなど、嗜好ニーズに合わせて男性同性愛同人誌が作られ、読者もまた「戦国武将」のアナザーサイドに耽溺しているのです。そして歴史上の人物としてはそれほど知名度の高くない「片倉小十郎」も、やはりその主君「伊達政宗」との「主従関係」(カップリング)から人気上昇中のようです。一方で、復刊ドットコムでも、『伊達政宗と片倉小十郎』(新人物往来社刊行)に340票を超えるリクエストが集まっています。果たして「片倉小十郎」は普遍的な人気を獲得しているのか、それとも多少の偏向があるのか。得票数上位のリクエストには複合的な理由があって多くの支持層を集めているわけですが、そのあたりを紐ときながら、我々は出版社様に情報を提供していくことになります。一度は流通から消えてしまった商品ではあるのですが、新しいニーズを生んでいる社会情勢の変化にこそ注目しなければなりません。そうした観点で復刊ドットコムのリクエストを見ていただくのも面白いかと思います。

ところで、乙女ロードに見るBL系同人誌のカウンターカルチャーとしてのパワーには正直、圧倒されてしまうものがあります。物語の登場人物や、歴史上の人物から、あの「匂い」を感じとり、既存のキャラクターを形代にして色々な形の愛を描いていく。その熱気。武田信玄など史実として、同性愛が過ぎて家臣に諌められたという記録が残っているそうですが、火のないところにも煙をたてる妄想力にこそラブはあるのかも知れません。あの膨大な数の細分化された同人誌を見るたびに、凄いなあ、と純粋に感心してしまいますね。復刊ドットコムでは、まだ「耽美」と言われていた時代のBL系の名作『私説三国志 天の華 地の風』が高得票を集め、ブッキングから全十巻で単行本未収録分も含めて新装復刊されています。天才軍師、諸葛孔明に見出された「匂い」は、江森備さんの手によって新しい形の文芸作品として昇華しました。BL界ではすでに古典作品の風格。とはいえ、ちょっと乙女ロードには場所がないかなあ。出版社ブッキングとしては、より効果的な紹介を模索中です。復刊ドットコムにも、近年、ボーイズラブ系書籍のリクエストが増えてきています。栄枯盛衰いちじるしいそれらの書籍は、一旦絶版になっては、新装復刊されるなど、動きが非常に早く、こちらとしてもなかなか情報を捉えきれていないところがあります。是非、ファンの皆さんからの情報提供もお待ちしております。

投稿時刻: 午前 10:00
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2008年7月12日 (土)


メルマガ予告(7/16号)!

ディレクターの、ともおです。

僕がメルマガのディレクション担当になって、2回目の発行準備にかかっております。7/9号には、色々と反響がありましたので、参考にさせていただいて、今後とも、皆さんの興味をひくようなメルマガを作っていいきたいと思っております。復刊商品・情報に限らず、広義での「復刊ドットコム的」なものをお届けできるセレクトショップメールになれれば良いなと思っています。7/9号で、好評だったのは、「よしながふみ」特集のご案内。同人誌へのリクエストがメインですので、正直、実現困難なリクエストではありますし、扱いが難しいところなのですが、ファンの皆さんの熱意が集まっているということを知らしめる場所になるのではないかと思っています。『西洋骨董洋菓子店』のアニメも始まっていますが、あの実写TVドラマ化では封印された「魔性のゲイ」も解禁されているのは、さすが深夜アニメかと思いました。7/9号で衝撃的だったのは、あの名古屋限定プレゼントクイズで「答えを間違えられた方がいる」ということです。われわれの想像を越えた反応をいただけるのは、大変、嬉しいところでもありますが、色々な意味で反省もありました。また、何故、SFは夏なのか、という問いかけにたいして、京都市のY様から『SFの愛好者(ファン)も扇風機(ファン)もファンは夏がつきもの』と、かつて星新一さんが言われていた、とのSF史に残る証言をいただいたのも嬉しいところです。ありがとうございます。どうぞ、皆さんが、今年の夏を復刊された名作SFで乗り切っていただければ幸いです。僕もまたSF作品に耽溺したいなと思っているところです(このところは、グインサーガの最新刊が出るたびに漫然と読んでいるぐらいなので、ちょっと新しい作品を開拓したいですね)。広瀬正さんの『マイナス・ゼロ』については、次週メルマガ、7/16号にてご紹介。『ツィス』の発行予定も聞いておりますので、ファンの方には吉報ですね。

さて、次週の7/16号は、小学館クリエイティブさんの復刻漫画を特集にしてお届けしたいと思っています。ニュースとしては、山上たつひこさんの、あの『光る風』が完全版として復活するというのが大きいですね。『がきデカ』などのギャク漫画家(そして後に小説家に転身もされましたが)として知られる山上さんのシリアス路線ではもっとも有名な作品かと思います。そして、楳図かずおさんの作品の復刻作品をご紹介します。考えてみると楳図さんも、『まことちゃん』などのギャク漫画家としての顔と、あの強烈に独創的な世界観を持つ怪奇漫画家としての二つの顔を持たれているのでした(ギャクでもホラーでも絵が変わらないのが凄いところですが)。そして、8月2日には、代表作のひとつと言っても過言ではない『赤んぼう少女、タマミ』実写映画化版が公開されるそうです。早速、広告バーター(裏事情)で、招待券を入手して参りましたので、メルマガで読者プレゼントクイズにしますね(渋谷の映画館用なので、また地域限定ですけれど)。なので、今週のメルマガのタイトルは「タマミ、タマミ、たっぷり、タマミ」にしよう、と希望を述べたのですが、メルマガライティングの富乃に一蹴されました。開封率に関わるところなので、もう少し、汎用性のある、まともなタイトルになるかと思います。残念。楳図作品の実写化というと、『漂流教室』を大林宣彦監督が手がけたことがありましたが、あれは不幸なコラボでしたね。ちょっと、互いの魅力を相殺してしまったような感があります。まだ見てはいないのですが、一昨年、『神の左手、悪魔の右手』も実写化されているとか。凄いですね。現在、七十代になられる楳図さんを、クリエーターとしてリスペクトする後継世代は確実にいるようですが、あの世界観をしのぐものが描けるのでしょうか。現時点での最新長編となる『14歳(フォーティーン)』も凄い世界観を持ったSF作品なのですが、現代のCGの力があれば実写化も可能ではないのかな。是非、映像系の方たちにも新しい世界を見せて欲しいところです。メルマガの富乃には、富乃世代における「楳図かずお」とは?を展開するように依頼してあります。まあ、馴染みのないところではあるのだろうけれど。同じ二十代でも中川翔子さんのような人もいるので、一概には言えないところでね。そういえば、先日、富乃に『「太陽の牙ダグラム」って知っていますか?』と訊ねたのですが、ガンダムのアムロにも、イデオンのアフロ頭にも馴染みのない彼女の世代には、愚問であったようです。この仕事をしていると、どこまでがフツウで、どこからがマニアックなのかわからなくなってきてしまいます。仕事ということでは平衡感覚も必要なので、バランスを保ちながらも、真摯なファンの気持ちにも応えられる、そんなサイト作りを目指して参ります。ということで、来週のメルマガも、是非、お楽しみに。

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投稿時刻: 午前 10:00
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2008年7月11日 (金)


『赤毛のアン』感想文コンテスト

ディレクターの、ともおです。

先月、東京の日本橋三越で行われた『赤毛のアン展』は、とても盛況だったようです。復刊ドットコムでリクエストを集め、ブッキングから復刊された『赤毛のアンのお料理BOOK』も採りあげてもらっていて、この本のレシピから作れる料理のレプリカの展示も行われていました。僕も見に行ってきましたが、モンゴメリー女史の直筆原稿(これが、僕には全然、読めなかったのですが)や、村岡花子さんの直筆原稿もあり、ここから『赤毛のアン』が生まれ、日本で紹介されたのか、と感慨深いものがありました。各国や、日本の過去の単行本もあったのですが、これがアンか?というような、ビジュアルイメージの変遷も面白かったですね。今月は、2008年7月17日(木)~7月28日(月)に、今度は場所を名古屋のジェイアール名古屋タカシマヤに移して、『赤毛のアン展』は開催されます。名古屋ではカフェも併設で、物語に登場するお菓子も食べられるみたいですね。各会場によって違いがあるようです。この後の予定は、公式HPでご覧ください。

さて、『赤毛のアン』100周年ということで、各種イベントがとり行われておりますが、新潮社さんでは、『「赤毛のアン誕生100年」感想文コンテスト』を開催されるようです。「最優秀賞受賞者は、アンの島・カナダのプリンス・エドワード島へペアでご招待」だそうなので、これは、是非、参加されてみてはいかがでしょうか。僕も先日、アンの感想を書いてみたのですが、これは新潮文庫版じゃないので対象外なので残念です(ついでアンケートをとってみたら、マシュウ人気高し、でした。現時点では)。ところで、おまけブログで児童書の紹介、というか感想をずっと書いていたのですが、面白いもので、「課題図書」に選ばれた本にはページビューが多く集まるんですね。そうか、子どもたちも(あるいは親御さんか)ネットにあがっている感想文やコメントを参照したりするんだなあ、と、最近の「読書感想文」事情を興味深く思ったりしました。ネット時代になって、興味、関心、感動を共有しやすくなったなあ、と思うところですが、自分で考える前に、他の人の感想を見てしまうような、そんな弊害もあって、影響されずに自分の心の声を聞くことが難しくなっているのではないかと思います。自分の心の裡がわかってから、ようやく人との対話ができるような気もします。「感想」に正解も不正解もないので、自分の所感を信じて書く、ということができれば、それが良い感想なのだと思うんですけれど。コンテストとなると、どうなんでしょう。審査員が梨木香歩さん、というのも興味をひかれるところです。

投稿時刻: 午後 06:29
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2008年7月10日 (木)


おりょうりすること、たべること

ディレクターの、ともおです。

中川李枝子さんと山脇(大村)百合子さんご姉妹の作品と言えば、やはり『ぐりとぐら』を思い出す方が多いかと思います。45年前に「こどものとも」に登場した二ひきのねずみの絵本は1967年に単行本になり、およそ四百万部の大ロングセラーとして、今も多くの人たちに親しまれています。個人的には『いやいやえん』の方が印象に深く残っていて、山脇(当時は大村)さんの絵には、懐かしさと、今もどきどきするような斬新さを感じています。ダヴィンチ6月号の特集『「ぐりとぐら」ができるまで』では、『ぐりとぐら』誕生にまつわる、お二人の対談が掲載されています。ぐりとぐら、という名前は、中川さんがご覧になっていたフランスの絵本に、黒猫と白猫が冒険しながら、グリ、グル、グラ、と歌を唄う場面があり、そこから採られたそうです。さて、そんな山脇百合子さんの、全国を巡っている絵本原画展『ぐりとぐらのなかまたち』が、うらわ美術館で7月5日(土)~8月31日(日)まで開催されています。『ぐりとぐら』だけでなく『そらいろのたね』など、23タイトル、320点の展示が行われています。お近くの方は、是非、お立ち寄りください。

今年の1月から、ブッキングは『復刊傑作幼児絵本シリーズ』(全13巻)を刊行いたしました。今から40年前に訪問販売のみで販売されていたシリーズの新装復刊です。出版社が倒産してしまった関係で、幻の絵本として語られてきた作品たち。現在、ロングセラーとして読み継がれている作品の作者たちが、そうした作品を生み出したのと同じ頃に作った作品でありながら、質的な問題ではなく、流通事情により消えてしまっていた名作たちばかりなのです。詳しくはこちらをご覧になっていただくとして、このシリーズには、中川李枝子さん、山脇百合子さんの作品が三冊入っています。とくに『いちくん にいくん さんちゃん』は注目です。あの「ねずみの兄弟」と同じ頃に生まれた、「ねこの兄弟」もいたのですよ。しかもこちらは三兄弟。そして『うさぎのにんじん』『みかん』。こちらの三作品については、MOE7月号の特集『復刊絵本の魅力』の中で、山脇百合子さんご本人が製作当時のお話をされておりますので、ご覧になっていただけると、一層、この絵本の魅力を感じられるかも知れません。

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ちなみに、どの作品にも「おおきなたべもの」が登場します(にんじんは、たくさん、なのですが)。このあたり、中川・山脇作品がツボに入るところですねえ。とくに、『みかん』に登場する、抱えきれないぐらいの大きな「みかん」というのはちょっと憧れるところです。ヤクルト1.5リットル壜の夢もまんざらでないというか(本当は、ヨークの方がいいんですが、どっちにしても胸やけしそうです)。中川・山脇作品の他にも傑作が揃っているシリーズなので、他の作品も、是非、ご覧ください。

投稿時刻: 午後 02:04
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2008年7月 9日 (水)


こんなふうにします。

復刊ドットコム、ディレクターの、ともおです。

七月からブッキング内で担当替えをいたしました。バタバタしながらも体制を整えている最中です。各スタッフが本領を発揮できるようになるにはもう少し準備が必要で、楽屋裏のみっともないところをお見せしながらですが、ご容赦いただければ幸いです。社力を集中して、グンとパワーアップした復刊ドットコムをお見せできるよう、スタッフ一同、努力して参ります。「復刊ドットコム」も八年が経過し、それなりの評価をいただいて現在に至っております。設立以来のスタッフは現在1名しか残っていない状態ですが、受け継がれたものを磨きあげ、「復刊ドットコム」が在ることの意味を問い続けていければと思っています。

さて、そうした一歩として、この春、統合いたしました、復刊ドットコムブログ(こちらのブログ)と、復刊活動レポートを、再度、分離することにいたしました。こちらの復刊ドットコムブログの方は、僕が担当し「復刊的な話題」を中心に、イベントなどの情報提供や、ニュース、「復刊的な本」についての話題などをお話する場所にいたします。できれば毎日更新で(汗)。復刊活動レポートは、復刊についての出版社さんとのお話の進捗状況や、復刊本の刊行についての情報などをお伝えする場所としていきたいと思っております。今後は、更に、皆さんに本の情報をたっぷりとお伝えできればと思っておりますので、何卒、両ブログともにご注目ください。

投稿時刻: 午後 09:44
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2008年7月 8日 (火)


『ブライズヘッドふたたび』がふたたび

ディレクターの、ともおです。

イーヴリン・ウォーの『ブライズヘッドふたたび』は復刊ドットコムで121票のリクエストを集め、出版社ブッキングから復刊されました。英米文学に通じられている方で、ウォーの名前を知らない方はいない、という断定口調で人の心を泡立たせるのはいけないところですが、少なくとも英米文学研究者にとってはマストな作家と言われているようです。『ブライズヘッドふたたび』はウォーの(異色作でありながら)代表作とはいうものの、復刊ドットコムの需要だけではコスト的に製作が難しかったため、一般書店販売も視野に入れた形となりました。僕たちスタッフが悩んだのは、それこそフィッツジェラルドや、ウォーに親和性の高いグレアム・グリーンならまだしも、ウォーが現代の一般書店の店頭で、どれほど訴求力があるのだろうかということでした。吉田健一氏訳の人気は心強いところでしたが、けっこう、おっかなびっくりと製作販売を進めていた記憶があります。あまねくジャンルの本を「復刊」という共通項だけで扱っているブッキングは、こうした時、経験不足を痛感するのです。この本を常備してくれるような、海外文芸の単行本の棚を構えている書店がどれぐらいあるのだろうか・・・。しかし、結果として販売は好調で、やはり名作の作品力は、復刊という形で光があたれば、ふたたび世の中で輝くことができるのだということを、再認識した次第です。

■ イーヴリン・ウォー特集

そして、前々から噂にはなっていましたが、ついに『ブライズヘッドふたたび』の、映画化が実現されたようです。
『Brideshead Revisited』
残念ながら、日本公開は未定ですが、各国での上映は決定したようです。まずは、アメリカで8月から公開の模様。原書も、映画版のパッケージで新装され発売されています。本作については、以前にTVドラマ化され(『華麗なる貴族』という邦題でビデオ発売もされていたようです。本国では非常に評価が高かった作品です)、そのイメージでファンになった方たちも多いと言われています。回想の中で物語られる、貴族青年たちの青春の彷徨。真面目な中産階級の青年チャールスは、美しい貴族青年セバスチャンとオックスフォード大学で出会い、友情を得て、彼の故郷であるブライズヘッドの城に誘われる・・・。英米文学ファンならずとも、このパターンの物語にひきつけられる方たちは、多いのではないでしょうか。映画版も、さぞや美しい青年たちの競演となるのだろうな、などと思うところです。

投稿時刻: 午後 04:31
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2008年7月 7日 (月)


『一千一秒物語』の物語

ディレクターの、ともおです。

作家の小川洋子さんがパーソナリティーをつとめられているFM番組「パナソニック メロディアス ライブラリー」の7月6日(日)の放送で、稲垣足穂の『一千一秒物語』が紹介されていました。小川洋子さんが稲垣足穂をどう読むか。作家の感受性と、その視線が捉えるものもまた興味があるものです。稲垣足穂(イナガキタルホ)。大正時代にあって、寓話性こそ少ないものの、後の時代の宮澤賢治よりも、より蟲惑的な幻想と淫靡さを持った「童話的」な作品を残した作家です。僕もご多分に漏れず、およそ通過儀礼的に、十代後半にはハマッていました。『一千一秒物語』は当時も新潮文庫で健在でしたが、『少年愛の美学』などの、もうひとつの足穂ワールドは、あの当時よりも現在の方が、流通上入手しやすくなっているのが不思議です。当時は古書店を探したものですから。どちらかと言うと、投げっぱなしの幻想譚である『一千一秒物語』よりも、文庫に併録されている『彼等』のような心理的に繊細な作品の方が好きだったのですが、たむらしげるさんが絵を描かれた『一千一秒物語』を見て、自分の感性に足りないイメージを補給してもらい、楽しめた気もします。

稲垣足穂+たむらしげる、の『一千一秒物語』は復刊ドットコムで多くの得票を集め、ブッキングから復刊されました。こちらのページに、復刊にあたってのたむら先生のメッセージが寄せられていますので、是非、ご覧になってください。この本は、少し前にsmapの稲垣吾郎さんが絵本を朗読される番組『忘文(わすれぶみ)』でもとりあげられ、紹介していただいたこともありました。繰り返し、マスメディアでとりあげられていくことで、新しいファンも増えていくものかも知れません。「復刊」することよりも「絶版」にならない文化の残し方もあるのではないかと思うところです。

■  稲垣足穂特集
■ たむらしげる特集

ところで、小川洋子さんと言えば、作品ももちろんですが、クラフト・エヴィング商會の『じつは、わたくしこういうものです』の「冷水塔守」役など、小川さんご自身も素敵な方で、シンプルなお名前ながら「小川洋子さん」と聞くと、そのまとわれたイメージも含めて想起されるものがあります。そうした小川洋子さんを表している作品と言えば、やっぱり『ミーナの行進』がお薦めできるところですね。これも素敵な造りの本ですよ。

投稿時刻: 午前 11:49
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2008年7月 6日 (日)


桜桃忌、終わっていました、いつの間に

ディレクターの、ともおです。

先日、某誌に取材を受けました。昨今の「復刊本」のブームを復刊ドットコムとしてどう考えるか、というようなテーマ。取材の方は、営業のkyoに対応してもらったので、僕は横で聞いていただけなのですが、やはり昨年の『人間失格』の小畑表紙絵版のヒットから、今年の『蟹工船』ブーム、そして、あの『伊豆の踊り子』にいたる世の中の流れについては、考察されるべき現象のようです。厳密に言えば、これらは絶版になっていた本ではないので、復刊というよりは、名作再評価ということなんですが、詳しいことは、某誌が発行されましたら、またこちらでもお話したいと思います。なんというか、復刊ドットコムの立ち位置、みたいなものを改めて考えさせられる契機にはなりました。ところで、『人間失格』。うっかりしていましたが、6月19日が桜桃忌だったんですね。書店では今更、ということか目立ったフェアはあまり見かけませんでしたが、近所の図書館では企画展示で本が紹介されていました。復刊ドットコムにも太宰治特集はあるので、ちゃんと紹介できれば良かったなと思います。僕が持っているもので『もっと太宰治がわかる本』という、1989年に発行された本があります。堅い研究書ではなく、当時の「謎本ブーム」の影響を受けたカジュアルな、太宰治ちょっといい話、的な本です。この本、凄いことに、一冊全部、ナンシー関がイラスト(版画)を担当しているんですね。ナンシーの太宰作品は秀逸なものが多くて、それこそ「銀座ルパンの太宰治」の、あの有名なポーズを彫り上げているぐらい太宰の同郷者としての愛憎も感じられるところですが、この本は、まだ荒削りな感じが出ていて、初期のナンシーを体感できる本です。いつの間にかナンシーの話になっていましたね。「丁稚のチャーリー」の頃からのファンなので、つい。最近、こういう本も出ましたよ。

■ 太宰治特集
■ ナンシー関特集

おまけブログでヤングアダルト作品の紹介をしていたのですが、児童書フィールドに限らず、YA的な資質をもった一般文芸作品もとりあげていました。いつか太宰治を、と思っていて、そうなると『女生徒』『俗天使』か、『パンドラの匣』か、あるいは『惜別』あたりかなと思っていたのですが、一旦、あちらをお休みして、こちらに注力しているので、まだ少し先の話になりそうです。『ろまん燈籠』の兄弟姉妹にスポットを当てても面白かろうな。要するに、今のYA世代にも読んでもらいたい作品が沢山あるんですね、太宰治。自分が「読みたい」と同時に、人にも「読んでもらいたい」という心情が発動されるのが復刊ドットコムです。そういえば、件の取材の中で、所謂「工作員」と、「熱心なファン」はどこが違うのか、という話題が出ていました。この作家のためなら、非営利でも「工作員」にもなれる、という思いもまた純粋なファンの情熱だと思うのですけれど。とまれ、昨年、多くの若い世代が太宰治を手にとるきっかけがあったことは、とても嬉しく思った次第なのです。

投稿時刻: 午前 10:00
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2008年7月 5日 (土)


メルマガ予告(7/9号)!

結局、ディレクターになった、ともおです。

ぼちぼち業務を移しているところですが、この度、復刊ドットコムのサイトとメルマガのディレクターになりました、ともおです。所信は、色々とあるんですが、プロデューサーの顔色をうかがいつつ、さりげなく手を加えながら、大人げなく運営していきたいと思っております。こちらの担当になったところで、早速、メルマガライティングの富乃宝子と、来週のメルマガ(復刊info)について相談していたのですが、季節の風物詩をとりあげよう、ということで「夏といえばSF」。今回は「SF」押しで、「復刊ドットコム」的な、リクエストや商品をご紹介したいと思っています。来週、水曜日(7月9日)配信、乞う、ご期待です。

ある筋の情報によると、日本にSFファンは9千5百人しかいないそうです(本当かなあ)。盗聴マニアは200万人いると言われている日本なので(それも驚くべきですが)、SFファンは、もはや絶滅寸前の稀少な人種ではないかと思うところです。ところで、復刊ドットコムでは、未だにSFの人気は高く、海外文芸リクエストのトップもブラッドリーの『ダーコーヴァ年代記』(現在、484票)なのです。面白いんだこのシリーズ。できたら未翻訳分も併せて刊行していただけないかと(個人的には萩尾望都先生に表紙絵を描いていただけたらと夢想していますが)、弊社としても、引き続き出版社様にお願いをして参ります。ともかく、このシリーズ、1巻~6巻まで読んでいただけると、その魅力にひきこまれるはずです(この六冊だけで2000年のダーコーヴァ史をカバーしているのですよ)。是非、SFタイトルのリクエストにはご注目ください。ここには伝説の名作が眠っていますよ。

■ SFファンタジー小説 特集
■ SF小説(日本) 特集
■ SF小説(海外) 特集

名作SFの復刊も相次いでおります。つい先日、亡くなられた野田昌宏氏の訳による『キャプテンフューチャー』シリーズもついに復刊完結。最終巻は野田元帥のオリジナル作品です。ヒロイックファンタジーの名手、ムアコックの諸作品や、ジーン・ウルフの『新しい太陽の書』も新装で復刊と、話題は続いています。そして、SFファンには垂涎のサンリオSF文庫作品の復刊も嬉しいところ。アンナ・カヴァンの『氷』は、バジリコから。マイクル・コーニーの『ハローサマー、グットバイ』は河出文庫から発売されます。こちらは、人気のイラストレーター片山若子さんの表紙絵で魅力アップですね。国内作品では、懐かしいところで、これもリクエスト多数の広瀬正さんの『マイナス・ゼロ』がもうすぐ復刊(中学生の頃に読んだので内容忘れています。もう一度読もうかな)。そして眉村卓さんの1979年に星雲賞、そして泉鏡花賞まで受賞された『消滅の光輪』も復刊で登場です。純然たるSFというよりは、ちょっとラノベ系入りますが、多数の復刊リクエストを集めた冲方丁さんの初期作品、『ばいばい、アース』の復刊も話題を集めました。また、かつて復刊された小林めぐみさんの『ねこのめ(全三巻)』も、復刊ドットコムなら、まだまだ在庫アリマス。是非、復刊ドットコムでSF復刊情報をゲットしてみてください。

そして、復刊ドットコムから復刊したSF作品としては『創作子どもSF全集』(国土社)の名前は忘れがたいところ。児童文学者のSF的な作品と、SF作家陣のジュブナイル作品が、同じアンソロジーの中に入っているのです。しかも、SF側は、豊田有恒福島正実光瀬龍矢野徹、そして、今日泊亜蘭、という豪華メンバー。セット購入より多少割高になりますが、復刊ドットコムのみでは分冊購入も可能(冊数限定のですので、お早めに)、是非、ご覧ください。

何故、夏はSFなのか、SFで祭りなのか。いつの間に夏の季語になったのか。おそらく、ファンの祭典、SF大会が毎年、(夏休みの学生がヘルプにきてくれるので)夏に開催されていた関係だと思いますが、富野がメルマガで勝手な憶測をしておりますので(と、振っておいたのに、早々に匙を投げていますが)、どうぞ、こちらもお楽しみに。

投稿時刻: 午前 10:00
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2008年7月 4日 (金)


『ガラスの仮面』

業務区分変更中の、ともおです。

今週、注目が集まっているのが『ガラスの仮面 未刊行分』です。7月に入ってからだけで、なんと80票以上のリクエストが入っており、PVも急上昇しています。『ガラスの仮面』の4年ぶりの連載再開が報道されたことを受けて、ということもあるかと思いますが、リクエスト投票者の中には、新連載によって未刊行分の書籍化はどうなるのか、という心配をされている方もいらっしゃるようです。僕が『花とゆめ』を読んでいた頃でも(読んでいたのか、オレは)、『ガラスの仮面』は連載されながら「伝説」となっていた作品でしたが、その後、物語はさらに想像を越えたところに到達されていたようですね。何分、刊行されていない本へのリクエストであるため、「復刊ドットッコム」の主旨からは外れてしまいますし、実際、新刊刊行については、著者様や出版社様のご意向によるものと思います。出版社様の公式見解を以って判断していただくしかありません。また、こうしたリクエストの盛り上がりを、プラスにご判断されるかどうかもわかりません。実に、雲をつかむような話かと思います。しかし、現実に、作品への熱い想いを持ったファンの皆さんがいるということはリクエストに表れていますね。そんな熱意が寄せられている投票コメントにも、是非、『ガラスの仮面』ファンの皆さんには、ご注目いただきたいと思います。

■  美内すずえ特集

『ガラスの仮面』といえば、言わずと知れた「演劇漫画」ですが、2008年8月から蜷川幸雄さんの演出で音楽劇として舞台化されるそうです。その昔、大竹しのぶさんが、北島マヤを演じていたなあ、という記憶があったのですが、果たして、今度の舞台はどうなるのでしょうか。過去には、安達祐実さんでドラマ化されていたり、何度も、実写化されているんですね。舞台化と言えば、9月に『ドラえもん』が初の舞台上演となるそうです。舞台版ドラえもん「のび太とアニマル惑星」、なんと脚本・演出が鴻上尚史さんということで、これは一筋縄ではいかない感じです。下北沢のスズナリで、ヒザを抱えて劇団・第三舞台を見ていた頃は、こんな日がくるとは思いませんでした。うーん。

■ ドラえもん特集

投稿時刻: 午後 04:03
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2008年7月 3日 (木)


タイムカプセル2つ

あと少し、いろいろ担当のともおです。

水谷豊さんブームが続いています。復刊ドットコムでも、手塚治虫作品ということで『バンパイヤ Complete BOX』のDVDをご案内させていただいたところ、予想以上の予約数となり、驚いておりました。やはり、同作品が当時十六歳の水谷豊さん主演ということが大きかったのではないかと思います。TVドラマ『相棒』の好評価で映画化された劇場版『相棒』も大ヒット。20年ぶりのCDアルバムとなる『タイムカプセル』も好調だそうです(通常盤には、あの懐かしい『表参道軟派ストリート』の杉下右京セリフ版が入っているので、ファンの方は必聴です)。ということで、何かと話題の水谷豊さんなのですが、今度は、奥様の伊藤蘭さんの「タイムカプセル」が発売される模様です。

『キャンディーズ・タイムカプセル』

復刊ドットコムでは商品として取り扱いがないので、ご紹介のみですが、これはかなりの豪華版ですね。僕は、アイドルとしてのキャンディーズ直撃世代ではないのですが、やっぱり歌は良く覚えているし、好きな曲も多いですね。むしろ、女優になられてからの伊藤蘭さんが、元アイドルでありながら、あの当時、まだブレイク間際の「夢の遊眠社」や「S・E・T」などの小劇場劇団に客演参加されていたのが衝撃的だった記憶があります。そういえば深夜ラジオも聞いてたっけな。ところで、水谷夫妻の高校生になるお嬢さんは、キャンディーズの歌は大好きなのに、お父さんが車で自分の曲をかけようとすると消してしまう、という話を、水谷さんがTVでされていました。微笑ましい話ですね。

投稿時刻: 午後 07:12
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2008年7月 2日 (水)


「トキワ荘」の巨人たち

もうちょっと、いろいろ担当のともおです。

7月2日(水)午後7:45~8:34  NHK BS2で

『夢追い人 ~「トキワ荘」の巨人たち~』

という番組が放送されます。今は亡き、手塚治虫、藤子・F・不二雄、石ノ森章太郎のお三方のアーカイブ。興味のある皆さんは是非、ご覧ください。

復刊ドットコムの各リクエスト特集も注目です。

□手塚治虫 特集

□藤子不二雄 特集

□石ノ森章太郎 特集

ついでにトキワ荘に関わられていた漫画家さんたちの特集もご紹介しましょう。

□寺田ヒロオ 特集

□赤塚不二夫 特集

□水野英子 特集

□つげ義春 特集

□つのだじろう 特集

トキワ荘の時代を垣間見ることができる藤子不二雄A先生の『まんが道』(全23巻)は、当時の漫画家たちの熱気が伝わってくる傑作です。その中で、寺田ヒロオさんは、若い漫画家たちの頼れる良い兄貴という感じで登場されるのですが、作品は読んだことがありませんでした。復刊リクエストに皆さんが寄せられているコメントが熱くて、興味を惹かれましたよ。

投稿時刻: 午後 01:24
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