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2010年8月 3日 (火)


村上春樹の新訳で復刊! 世界的ロングセラー絵本『おおきな木』

おおきな木

復刊ドットコムWebマスター、熊野です。

1964年に発表されて以降、半世紀以上にわたって世界中で読み継がれるロングセラー絵本、シェル・シルヴァスタイン作『おおきな木』が、村上春樹さんの新訳で来月復刊します。

おおきな木』といえば絵本好きの方なら一度は読んだであろう名作ですね。

友達として心を通わす少年とりんごの木。二人はとても幸せな日々を送っていました。
しかし、月日が流れるにつれ、いつしか少年は大人になり、お金が必要になります。木は自らりんごの実を少年に差し出しました。
またある時、大人になった少年は、自分の住む家が必要になりました。木は家を建てるために自分の枝を切るよう、彼に助言します。
男は木の枝をすべて持っていきました。
それからしばらくして、今度は男は木に「悲しいので遠くへ行きたい」と言います。木は「私の幹で舟を作りなさい」と伝えました。男は幹をすべて持っていきました。
随分と時が経ち、年老いた男は木の前に帰ってきました。「疲れたので休む場所がほしい」彼は言いました。木は優しく「切り株の私に腰をかけなさい」と答えました。男は切り株に腰をかけます。木は彼との時間が幸せでした…。

一体この話から作者は何を伝えたかったのか? 変わりゆく少年を見守りながら、ただ与える事に徹したりんごの木。そこで描かれる無償の愛こそがこの作品の最大のテーマなのは間違いないと思います。しかしその一方で、一望すると少年の身勝手さ、りんごの木の報われない(とも感じる)生き方に憤りを覚える方も少なくないはずです。果たして本当の幸せとは何なのか。難しい問いかけですね。

ちなみにその点に関して、今回、新しく翻訳を努めた村上春樹さんは、素敵な言葉を散りばめた「あとがき」で表現してくれているので、ぜひこちらも併せてお読み下さい。

どれだけ時を重ねても、変わらず楽しめる名作というのは存在するのです。さあ、心の目を開いて、そこに映るあなただけの答えを見つけて下さい。

あなたはこの木に似ているかもしれません。

あなたはこの少年に似ているかもしれません。

それともひょっとして、両方に似ているかもしれません。

あなたは木であり、また少年であるかもしれません。

あなたがこの物語の中に何を感じるかは、もちろんあなたの自由です。

それをあえて言葉にする必要もありません。

そのために物語というものがあるのです。

物語は人の心を映す自然の鏡のようなものなのです。

(村上春樹/訳者あとがきより)

投稿時刻: 午前 11:51
児童書、絵本 |

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